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海賊版

映画館に行くと、よく予告の映画に続いて、
海賊版防止キャンペーンのCMが流れるのですが、
これが実に嫌なCMなのです。
「感動が、盗まれている」
っていって、女の人が涙を流すと、それが黒く染まっていって、
その滴がポチャンと落ちると、髑髏が浮かび上がってくるという・・・
そして最後に、
「私は観ない。買わない」
とナレーションが。

これを観る度に、私は大声で、
「私ハ観ルシ、買イマスヨ」と言いたくなります。
映画館に居て、ちゃんとお金を払ってさあこれから観ようという時に、
けん制されているみたいでカチンときますよ。

モスクワにいたとき、
バグラチオノーフスカヤという地下鉄駅を降りると、
ガルブーシカという大きなCD市場があって、
ここに売っているCDやDVDはみんな60ルーブリ程度でした。
それが6年前のことなので、今はもっと高いでしょうし、
そもそもガルブーシカ自体がないかもしれませんが、
60ルーブリというと、300円ほど。
つまり海賊版ですよね。
歌詞カードがついていなかったり、
パッケージがゆがんでいたり、
すごく粗い音質だったり、
欠点だらけの海賊版ですけど、
貧乏な留学生にとってはありがたいものでした。

ロシアでもテレビをつけると、
海賊版追放キャンペーンなどは良くやっていて、
大きなライブ会場でアーティストたちが音楽を鳴らして、
その横手に海賊版のCDをみんながんがん捨ててゆく、
というのを観たことがあります。
日本以上に海賊版が盛んですから、
こうなると闘いですよね。

私の父は文化は金で買うもんだ、といいますけど、
文化の値段が高騰してゆくにつれ、
質は逆にどんどん下がると思うのですよね。
ペレストロイカ後、ロシアの劇場や音楽ホールやサーカスは、
物価の高騰にあわせてどんどん値を上げてゆきましたし、
文化教育もお金しだいになってきました。
それで競争によって質が高まったかというと、
どうしてどうして。
かえって民衆の要求に合わせてレベルが下がってきてしまいました。

12000円のバレエとただのテレビがあったら、
大抵の人はテレビを観るでしょうし、
ましてや子供にそのバレエを見せてやれるのは、
実力のある親だけですよね。
大体子供は12000円のバレエより、
バラエティー番組の方が好きでしょうし。

私は、基本的には芸術や文化は安いほうがいいと思うのです。
国がお金を出して、
ただ同然の値段で良質の文化を手に入れられる環境を作ってほしいです。
そうじゃないと文化って遠いものになってしまうし、
人は自分から縁遠いものをなかなか愛せないし。

海賊版というのは、商品としての質は粗いかもしれないけど、
芸術としての質は本物と同じなわけで、
そういう風に考えてみれば、
貧乏人にとっての光明だと思います。
そういう抜け道が、劇場にもできればいいのに。
天井桟敷みたいな、
二束三文の席がもっと出きればいいのになあと思います。


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