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ヘンリー氏の小さな劇場

昨日は恵比寿に行って、
そこの精神科のクリニックでハロルド・ピンターのお芝居を観てきました。
私の乾電池時代の先輩で、
そこの演出家&劇作家であったヤマトさんの企画です。

ヤマトさんは精神科医でもあり、
現在は院長先生になりました。
本も何冊か出版して、
着々と名声を築いています。

ヤマトさんは乾電池のなかで、
私が唯一好奇心を持って眺めることの出来た人でした。
この人どういう人なんだろうなあ、と、
ちょっとわからない感じなのです。
演劇界は様々な強い個性の集合体ですが、
その中に、本質的な別人種がいる感じ、というか。

大人なのになんだか頓珍漢で、
自分の立ち位置や身の処し方を計りかねている感じがあり、
本業ではとても優秀な人らしいのに、
演劇の現場ではなんだかウロウロしているのが変でした。
ヤマトさんをウロウロさせているのは、
演劇に対する断ちがたい愛情と憧れで、
それが自分でもコントロールできないんだろうな、
と私は思ったものでした。
その感じは好きでしたけどね。

一文にもならない演劇に有り余る金となけなしの時間を注ぎ込み、
奥さんをまきこみ、
トラブルにもまきこまれ、
無理やりカオスな現場に染まろうと奮闘し、
いやな思いを散々していた当時のヤマトさんを見て、
どうしてこの人は演劇を続けるんだろうな?
と思ったものです。

でも昨夜観たヤマトさんのピンターは、
私を感嘆させました。
単にお芝居として面白い出来に仕上がっていた、
だけではなく、
良質な演劇空間を日常のなかにつくりだし、
面白い人々の社交場をつくりだし、
そして想像力がうんとふくらむような演出と、
嫌味のない役者さん達をつくることに成功していたから。
自分の職場が舞台であるということで、
そこをどう使うか、よく知っているという感じもあって、
構成なんかも自由自在で洒落ていてね。
新宿二丁目通いの成果も出ていたし、
これはヤマトさんの、
あの人生の結果としてしか出てこない劇場なんだなあ、と思いました。
それと同時に、
ヤマトさん、色々なことをぶっちぎったな(笑)
と、もうそれも面白くてね。
50歳を越えた人が色々なことをぶっちぎるってスゴイ事ですよ。
お芝居に奥さんが出てくるし。
その奥さんも、もともとはエレガントで洒落た人なのに、
すごいことになっているし。
思い出すとクスクス笑えるのです。
演劇そのものを楽しんでいる感じが、
観ている方にも伝染するような空間でした。

私はヤマトさんには山ほど世話になっているので、
日本にいる時にヤマトさんが何か企画すれば、
それはもう必ず行くのですが、
今回は義理とか恩じゃなく、
ただもう面白かったです。
そのくらい良質な小劇場でした。
この人の創る芝居はよくわからないけれども、
この人にはついていこう、と決めた20歳の私の判断力に、
今さらながら惚れ惚れします。
間違ってなかったな。

それにしても人間というのは、
その場にいるその人だけが全てではなくて、
色んな可能性を秘めたものなのだなあ、とつくづく思ったことでした。
私もあんな風な年の取り方、戦い方がしたいものです。






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