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ユシチェンコと私

お正月にロシアが、
ウクライナへの天然ガスの輸出をとめました。
一日だけ。
でも、天然ガスはウクライナだけじゃなくて、
パイプラインを通ってヨーロッパへも輸出されていたので、
もたらされた混乱は、思っていたよりも大きいようです。

ロシアは最近、天然ガスの値段を倍以上に値上げするぞ、と
ウクライナにたいして、一方的に通告したのです。
値上げといっても、
ヨーロッパやアメリカなどに売っている値段と同じにする
ということですけど。
ロシアは旧ソ連邦だった国に対しては、
これまで大分安く売っていたのです。
ウクライナで言うと、
1000立方メートルあたり50ドル。
これ、どういうことなのかよく分らないんですけど、
国際市場価格は1000立方メートルあたり230ドル前後だといいますから、
これまでは格安だったわけですよね。

ウクライナの今の大統領は、
ダイオキシンを盛られて顔が激変しちゃったことで有名な、
ユシチェンコさん。
選挙で保守・親露路線の「傀儡」候補が不正をして当選したのを暴き、
ウクライナを民主主義化させるべく、
オレンジ革命なるものを起こして、
選挙結果を転覆させ、政権に就いた人です。

あの選挙のとき、
ウクライナはヒート・アップしていましたねえ。
「新しい民主時代の到来」的な雰囲気を感じました。
広場で市民がデモしたり、シュプレヒコールあげたりして、
新聞の紙面からも高揚した空気が伝わってきました。
オレンジの旗、オレンジの服、オレンジみたいな顔のユシチェンコ。
私もその時は断然ユシチェンコ支持でしたね。
まあ、支持と言っても他人の国ですから、
あくまでも他人事としてですが。

ユシチェンコ氏は、意外とポップな人物なのです。
毒が盛られるまでは背が高くてハンサムだったし、
盛られて顔が激変するなんて、
悲劇的でドラマチックだし。
ウクライナ系アメリカ人の奥さんを持ち、
民主化運動のリーダーであり、
起こした革命はオレンジ革命
いちいち派手で、かっこいいんですよね。

それで、欧米のメディアが、
ヤヌコヴィッチ(当選後失脚した相手候補)のこと、
ロシアの傀儡だ傀儡だってうるさくいうものだから、
ユシチェンコ氏だってアメリカの傀儡だっていうことは、
なんとなく意識にのぼらなかったのです。

ユシチェンコ氏は大統領になって以来、
ロシアをどんどん遠ざけ、アメリカと急接近しました。
奥さん、CIAのエージェントじゃないのかと、
疑うふしもあるようです。
だって、国務省の結構上のほうにいた人なんですよ。
もっとも、ウクライナが欧米寄りになるのは、
かならずしもCIAだけが原因じゃないでしょうけど。
ウクライナ人はもともとロシアが嫌いですからねえ。
歴史的に、ずいぶんひどい目にあっていますから。

それにたいするロシアの報復が、
今回の天然ガス問題でスタートしたようです。

ロシアの天然ガスはすごいんですよ。
なんたって、世界最大なんですから。
石油がこうも高騰を続ける今(アメリカのせいでね)、
天然ガスは代替エネルギーとして注目されています。
石油だって、ロシアの産出量は世界第二位なのです。
エネルギー問題が21世紀の焦点となってくるならば、
ロシアは一番強いカードを持っていることになります。
ペレストロイカ後、
ロシアはアメリカの前に、見る影もなく膝を屈してしまいましたが、
これからあとの15年くらいで、どうなるか本当に分りませんよ。
だって、プーチンの方が、
明らかにブッシュより頭が良いもの。
(いい人か悪い人か、という話じゃありませんよ)
あれくらいあからさまに指導者に差が出ていると、
もともと国としての体格・資力にそれほど差がないぶん、
いい勝負が出来ると思います。
足を引っぱる社会主義体制もなくなって、
ロシアはこれから無敵ですよ。
少なくとも、この最後の10年のように、
アメリカの一人勝ち独走態勢は崩れると思います。
マラソンランナーは後半が勝負ですからね。

ウクライナのような小国は、
大国同士の思惑に振り回されて、
引き裂かれるような立場にいつも置かれます。
歴史的にもそうでしたし、これからもそうでしょう。
国連というのは、
そういう不平等と弱肉強食の世界に、
秩序とルールをもたらすものでしょうけど、
まだ十全に機能しているとはいえません。
日本は経済力があるので、
いまのところウクライナみたいに惨めなことにはなりませんが、
それだって、アメリカの思惑に振り回されて、
引き裂かれるような立場におかれるところは同じです。

ロシアが国際的なパワーバランスの中で台頭してくると、
アメリカの現在のような独走態勢は崩れるでしょうが、
対立が激化したあげく、
第三次世界大戦への引き金になったりして・・・
なんて、いろいろ想像しちゃうんですが。

まあ、しかし、このところのロシアの経済発展振りには、
どこか頼もしいところがあります。
資本主義に移行したばかりの共産主義国というのは、
厳しい合宿を終えたばかりのスポーツマンに似て、
心身ともに研ぎ澄まされ、その上で自由がある、というような、
最高の状態なのじゃないかと思います。

これから私みたいな下っ端通訳にも、
就職口が一杯できるかも。
今はロシア語通訳って、あんまり仕事ないですけど。
いやあ、未来は希望が一杯ですね。




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