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氷がふってくる

昨日、今日と、オランダは何だか不思議な天気です。

これまで暖かい日が続いていたのに、急にがくんと寒くなりました。

強くて冷たい風がびゅうびゅう吹いています。

それなのに、空は不思議と明るくて晴れているのです。

それなのに、時々雹というのか、氷が降ってくるのです。


氷はバラバラッと屋根を叩いて、ぱちんぱちんっと窓をはじき、うるさいこと、うるさいこと。

窓の外を見ると強い風に飛ばされて、吹雪みたいなことになっています。

それなのに、雲間から日が差していたりするのです。

なんだか、天変地異の前触れみたいな気持ちになりました。


オランダ語学校では、スタージェと呼ばれるプログラムがそろそろ始まるようです。

これはどういうことかというと、

オランダ人の沢山いる、

学校やらお店やらボーイスカウトやらボランティア団体やらのところへ行って、

その仲間に入れてもらい、ただでもいいから働いて、社会経験を積む、という制度のようです。

私の行っているオランダ語学校は年間で65ユーロしか学費が掛かりませんが、

それは移民対策(特にオランダ的な習慣に溶け込もうとしないムスリム系の移民をターゲットにした)であるわけで、

単に言葉を習うだけでなく、その先に、

「オランダの社会の中で生きられるようにする」

という目的があるのです。

だから、オランダの習慣や文化、社会体制についての授業もあるし、

教科書もオランダの現代社会に則した内容になっています。

そして、とどめがスタージェ。

自分で、自分の受け入れ先を探すところからスタートするそうです。


そんなこと言ったってねえ。

私のいるクラスは、高等学歴を有する人の速習コースだそうですが、

11月にはじまってからまだたったの4ヶ月ちょいしか経っておらず、

みんな超簡単な話以外は相変わらず「?」という感じで生きているわけです。

会話は続かないし、お互い同士何言っているのかさっぱりわからないし、

ネイティブのオランダ人の話に至っては89%聞き取れません。

「私はネイティブのオランダ人の話に至っては89%聞き取れません」

という文章の「私」しかわからない状態ですよ。

いやー・・・お金もらわなくっても、受け入れてくれるところは少ないんじゃないかなあ。

だって、仕事場にそんな外人いられたら、はっきりいって邪魔だもの。

大体、日本でだって、突然どこかの団体に電話をかけて、

「これこれこういうシステムがありまして・・・ぜひ私を・・・」

なんて交渉するのは高等技術ですよ。

私なんて、電話をかけて、最初の二言三言でしどろもどろになって、

電話を切られるのが落ちだと思うな。


でも、スタージェ用の教科書を見てみると、

なるほど、

ここでの自分の生き方を客観的に見つめてみるためには、

こういうのもありかな、と思ったり。


なにしろ仕事探しというのは、

自分は誰で、何がしたくて、何が出来るのか。

ということをごくごく具体的にしてゆく作業なのです。

それを、クラスメートの前でいちいち発表して、

先生に宿題としてオランダ語の履歴書を提出したりするのです。

しごく冷酷に自分と向き合わざるを得ないのですよね。


私なんて何もかも半端で、

これまでやってきた事と今の自分の状況が全然つながっていないから、

こういう風にして現実を直視させられると、

もうすっかりへこんでしまいます。


文学部なんて役に立たない学部を出ているのに教職みたいな有益なものは持ってないし、

ペテルブルグの演劇アカデミーで学んだことは、すぐ出来る仕事の役にたちそうもありません。

せっかく英語が問題なく通じるオランダにいるのに、知っている言葉は英語じゃなくてロシア語だし、

職歴も「ときどき日本語とロシア語の通訳」しかも「劇場専門」。

あとは全部バイトで、半年以上働いたことないし。


あー・・・。使えないなあ。私の職歴。

どうすんの、これ。

私、なにができるの。

だめだなあ。ダメな人生だ。


なんて反省しきり。


まあこんな折でもないと、浮き草のようにウキウキして、反省なんてしませんしね。

一生「これからどうしよう」なんて思わないかもしれないし。

考えたくもないことを、無理やり考えさせるプログラム。

それがスタージェ。


自国とは違う文化・社会のなかで、

これからどうやって生きていくか、

具体的にどうやって方策を立てるか。

なんて、

移民にとっては最初の試練であり、とても大切なことですけど、

意外とその最初の壁がすごく高かったりしますよね。

日本だったら放りっぱなしで、民族によってははっきりした差別もある中、

社会に溶け込めないままどんどん孤立していったりするのに、

オランダはその点、自分の力で何とかしてゆく方法を、

クラスのみんなで一緒に学べるわけです。

「自分の生き方」みたいな個人的な問題を、

「生きる方法」みたいな全体的な方法論に切り替えて、

ある程度スキルとして教えてもらえるのです。

それも、語学学校で。

先生も力を貸してくれるし、他の人がどうやるのかも観られるし、

セオリーすらあるわけで、

こんなところでも進んでいるなあとつくづく思わされたのでした。

まあ、移民問題が、日本とは比べ物にならないほど大きくて深刻だから、

その鏡でもあるわけでしょうが。


私はスタージェ、どうしようかな。

劇場でチラシの折込でもやれるといいんだけど(笑)







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