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バースデープレゼント

ここ数年の熱心な教育がやっと実を結び、
ようやく私のオランダ人は「サプライズ」という言葉を理解するようになってきました。

誕生日の三日ほど前に「何が欲しいか」としつこく聞いたり、
「そもそも誕生日プレゼントは必要か?」と聞いたり、
散歩の途中、私が何気なく手に取ったものを「誕生日にこれ買ってあげる」と宣言したり、
誕生日当日に「これからプレゼントを買ってくる」と予告したり、
誕生日前夜にバレバレな形で寝室に紙包みが置いてあったり、
そういう残念な感じが今年はありませんでした。
こっそりプレゼントを買って、
贈る五秒前まで、ちゃんと隠し通してくれましたよ。

私のオランダ人が買ってくれるものはとても可愛いのです。
どうしてこれにしたんだろうと首をひねっちゃう物ばかり。
要るか要らないかの二択だったら二秒で「要らない」という結論が出るのですが、
そこはそれ、やっぱりその奇妙さが愛おしくてね。
要るものが欲しければ単に「あれ買って」と言えばいいのですが、
私は絶対に言わないのです。

まあ、この年になれば、
欲しいものは自分で買えますしね。
本当に欲しいものは売ってないものばかりですし。
そんな事より、
「どうしてこれを、私に・・・?」と首をひねるあの幸福な瞬間が、
誕生日にはぜひ必要なのです。

今年、オランダ人がくれた物は全部で三点。

ひとつは、モザイクの猫

ブローグニック

私がずっと猫が飼いたい、猫が飼いたいって言っているからだと思います。
私のオランダ人は動物が嫌いなので、
これで我慢しておけよっていうことでしょうね。
出た出た、ザ・おためごかし。

二つ目は、蝶々の首飾り

$ブローグニック

去年も蝶々の首飾りだったんですよね。
デザインは違うけど。
どうして毎回蝶々なのかしら?
蝶々が好きなのかしら?
男心の謎ですね。
もっとも毎年ちょっとづつ趣味が洗練されてきていて、
これも教育成果でしょうかねえ。
普通に可愛いですよ。
ふうむ・・・・悪くないね。

三つ目は、ベルト

$ブローグニック

Lサイズ・胴回り95センチ。
ははははは。
何考えてたんだろう。
いくら私がぽっちゃりでも、
ウエスト95センチはありませんよ。
身長すら154センチしかないのに。

まあ、彼がこれをくれたのはね、
私の好きなジーンズがウエストゆるゆるで、
最近ちょっと痩せたらお尻のところまでずり下がってきてしまって、
たぐり上げながら履いているせいだと思います。
締めるのが面倒くさいだけで、ベルトは持っているのですけどね。

まあ、そんな感じのバースデープレゼントを頂いたのでした。
相変わらず彼の人柄がにじみ出ていて、
要らないもんばっかりだけど私は好きですねえ。

そういえば子供の頃、
母の誕生日に、
私の兄や弟は指輪や首飾りを買ったものです。
子供が自分のお小遣いのなかから買うので、
高くても千円くらいのチープなアクセサリーです。
これらはね、思い出せば、やっぱり男の子が選びがちな、
奇妙奇天烈な品々でしたよ。
要らねえよっていう。

でも母は嬉しそうでしたね。
毎年誕生日にはアクセサリーを要求していました。

いま、私はあの頃の母に近いような年ですが、
気持ちが何となくわかりますね。
なんでしょうね、
「ああ、どうしてこれなんだろう・・・」という、あの謎の愛おしさね。
「こういう感じかあ・・・」と嘆息する、あの感じです。

そんなわけで、昨日はワインを二人で三本空けました。


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誕生日


今日は誕生日なのね~
ま、特にめでたくもないけどね。

ソニーのリーダー海外使用について

ふむ。

ソニーブックストアで書籍が買えない件について、
昨日、ソニーのお客様相談室にメールを送ったのですが、
さっそく回答が来ました。

こんな感じの。


日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
このたびは、リーダーストア窓口へお問い合わせをいただきまして、
誠にありがとうございます。

お問い合わせ頂いた件につきまして、以下の通りご返信申し上げます。

大変恐れ入りますが、eBookストア『Reader Store』のお支払い方法につきましては
日本国内発行の「クレジットカード」または「ソニーポイント」となります。

なお、『Reader Store』にてソニーポイントをご利用の場合、
「メールメンバー」ではご利用いただけません。
そのため、メンバー登録をしていただく必要がございます。

しかしながら、お客様の仰せの通り「My Sony Club」の会員登録につきましても、
日本国内サービスとなりますため、ご登録いただけるご住所は日本国内のみとなります。

せっかくお問い合わせをいただきながら、このような回答にとどまり
大変心苦しい限りでございます。誠に申し訳ございません。

何卒ご了承いただけますようお願いいたします。

以上、お詫び方々用件のみにて失礼いたしますが
品質向上と更に使い易い製品の開発に努めて参りますので
今後も引き続きソニー製品をご愛顧賜れれば幸いでございます。


さすがソニー、
一流の人材ばかり採用しているだけあって、
状況説明は私なんかよりずっとクリアですね。
要するに、
海外在住者は電子書籍を買えないよっていうのが、
結論です。
「変える気もねえよ」っていう姿勢が、
丁寧な文面からうっすら漂ってきますね。
シャッターが、ガラガラガッシャーンと鼻先で降りてきました。

ネットで検索してみたら、
電子書店パピレスが、海外発行のクレジットカードでも本が買えるみたいです。
パピレスはソニーリーダーの本も取り扱っています。

だけどパピレスってなんか体裁が下品でね。
品ぞろえが下品、色合いが下品、並べ方が下品。
欲しい本なんか全然ない。
私みたいなスノッブな人間には、
どうもためらう部分がありますね。
あまりにもエロ本屋じみていて、
彼らにクレジットカードの番号を渡しちゃっても大丈夫かなって、
心配になってしまう。

私もバカだね。
最初に問い合わせてから買うべきでしたね。

海外で電子書籍を読みたい人は、
これからアマゾンのKindleが出ますから、
もしかしたらそちらのほうがいいかもしれません。
でもアマゾンも同じかな。
大きな会社はどこも、
不正使用を恐れて海外発行のクレジットカードは取り扱わないのかも。

でも、日本にいる人には、
別に紙の本でも図書館でもなんでもあるんだから、
リーダーの必要は特にないんじゃないかと思うんですけどねえ。
電子書籍が本当に必要なのは、
自国語での本が手に入りにくい海外在住者なのだから、
もうちょっと柔軟に取り計らってほしいですよね。

ていうか、
やっぱり、
ソニーストアの巻頭ページに大文字で、

海外在住者は日本のクレジットカードを持っていない限りは、
書籍購入の方法がありません。


と書いておいてほしい。
そうしたら最初から買わないんだから。
ひどいですよ。
ひどい。
普通に。


リーダーの罠

今日やっとSonyのリーダーが届きました。
PRS-350。
アマゾンで購入したのですが、海外発送ができなかったので、
一度実家に送ってもらって、
実家からこちらに送ってもらうことになりました。
結構長くかかりましたねえ。
待ち遠しかった―。

カバーも一緒に買ったのですが、
何しろピンクのカバーで若干趣味が悪いので、
母が昔送ってくれた猫のカバーを掛けました。 
するともう、すっかり自分仕様。

さて、電源入れたり、
充電したり、
商品登録したり、
必要なことをしたあと、何がまずしたいかな、というと、
もちろん書籍購入ですよね。
日本に帰った時以外は、
好きな本を勝手に選んで買うなんていうのは、
望外の贅沢なわけです。
本がより取り見取りなんて、
どの位振りかしら。
漫画でも小説でも、
あたしゃ買っちゃうよ!

なんて、興奮しましてね、
クレジットカードを手に握りしめて、
パソコンの前にかぶりつきですよ。
いやー、夢広がりました。

ところがね。

・・・。

買えない。

クレジットカードの番号を、
入れても入れても、
「失敗しました」
と出てくるのです。

どうしてかしら?

血眼になって情報を探しましたらね、
Q&Aの隅の方に、
非常に慎ましやかに、
「日本国内で発行されたカードのみ利用可能です」
と書いてあるのです。

えええええええーーーーーー

言ってよ。
最初に言ってよ。

それ、
ブックストアの巻頭ページに書いておいてよ。

いやあ、業腹とはこの事ですな。
なにこのだまし討ち。

全部で二万近くかけてね、
母親にも手間を掛けさせてね、
こんなに長く待ってね、
・・・・

なにをーーーー(怒)!


ブックカバーを自分仕様にしちゃったじゃないさ。
持ってた本を、もういらないからって捨てちゃったじゃないさ。
どうしてくれるのさ。

ああ・・・
悲しくなってきちゃった・・・。

そばかす

私の顔はいま、ソバカスだらけ。
昔からソバカスができやすい肌だったけれど、
三十を超えてからますます目立つようになりました。
ソバカスっていうのは、遺伝が大きいんですってね。
私の場合も完全に母からの遺伝です。
母親もやっぱり、ソバカスらだけでしたから。

私は5歳の子供の家庭教師をやっているのですけど、
その子が私に聞くのです。

「ねえ、そのお顔のポツポツは・・・なに?」
「これ?これはソバカスよ」
「ソ、ソバ・・・?」
「ソバカス。言ってごらん」
「ソバカス」

その話はそれでいったん終わったのですが、
そのあと、ふとした拍子に、
また聞くのです。

「ねえ、そのソバ・・・ソバカスはね?」
「うん?」
「どうしてあるの?」
「お日さまを浴びたからかな。夏になると色が濃くなるの」
「どうして?」
「メラニンが・・・うーん、ま、そういう仕組みで」
「どうして?」
「遺伝もあるよ。私のお母さんがやっぱりこんなにソバカスだらけだったし」
「ふうん・・・」

それからまた、しばらく経って。
もう辛抱たまらんという感じで、

「ねえ、ソバカスはさ?」
「うん?」
「とれないの?」
「そうねえ、薄くなったりはするけどね。冬なんか」
「どうしてそんなに多くなったの?」
「お日さまがさ、好きだからかな」

で、私もそろそろ気がつきはじめるわけです。
この子、私のソバカス気に入ってないなって。

まあこれねえ、
私なんかも覚えがあるわけです。
小さい頃、私だって何度も何度も母に聞きましたから。
「どうしてそんなにソバカスがあるの?」って。
あれは、やっぱり、
自分を振り返って考えてみると、
ソバカスがなければお母さんの顔はどんなに良いかって意味でした。
「どうしてそんなのがあるの?」って子供が何回も聞くときは、
「それ、取っちゃえよ」っていう意味なんですよね。
ああ、この感じ、懐かしいわー。

面白いもので、
私の答えは昔の母の答えと一緒。
「お日さまが好きだから」。
でも母のソバカスですっかり警戒していた私は、
小学校から今に至るまで、
直射日光は浴びないように、
夏には日焼け止めを欠かさぬように、
ちゃんと気をつけていたのですよ。
お日さま、嫌いだったわけです。

にもかかわらず、
顔はソバカスの嵐。
遺伝、恐ろしや。

私はため息交じりに、
私の教え子のシミひとつない頬っぺたを両手で挟みながら、
「あーあ、いいわねー」
なんて言う訳です。
そうすると向こうはね、
また聞くわけです。

「そ・・ソバカスって、消えることあるの?」
「・・・いいの、消えてほしくないの。私、ソバカス好きだから!」
「どうして?」
「だって、お母さんに似てるんだもの」

あーあ、これ、うちの母も言ってたな。
ということは、祖母も言ってたのだろうか。
永遠のループ。
楽しいねー(から笑い)。









モダンタイムス、または "Living Light"

私には弟が一人おりまして、
ずっと音楽をやっているのです。
私は彼のつくる曲が好きでねえ。
まあ、私の兄も音楽をやっていて、
それも結構好きですから、
結局身内がつくるものは好きなんだという、
それ以上の意味はないのかもしれませんが、
まあ気に入っている訳です。

特に最近彼の送ってくれた最新作は、
今までの彼の音楽とはちょっと毛色が違っていて、
何か色々考えて、彼なりに変わろうとしているのかな、と、
その変化の兆しが非常に肯定的な形で見えていて、
私はやっぱり気に入ったわけです。

ところがね。

私は何か気に入ると、
ググってみるのですが、
彼の名前をググってみても、
何一つ出てこない。

彼のバンド名をググってみても、グッサグサのHPが出てくるのみ。
彼の作品名をググってみても、出てこない。
聴きたいと思っても、Youtubeには動画ひとつない。

そう、私の弟はコンピューターが苦手ですから、
ネット上にあんまり自分の情報を置いていないのです。
というか、置き方を知らないみたい。

だから、彼を知らない人は、
彼がどこでライブをやるのか、
どういう作品を作って来たのか、
どういう経歴の人なのか、
全然わからないし、知る機会もないのです。

そこで私は腕を組んで、はたと考えた訳ですよね。

何かが知りたい時、
現代人は何をするか?

そう、検索する。

これ、自分で考えた訳じゃなくて、
伊坂幸太郎の本に出てきたんですけどね。
そういう感じの言葉が。
私、これは本当にその通りだなと思っている訳です。
その通りだなと思うと、私は影響を受けるのです。
しかも伊坂幸太郎、言葉の使い方がちょっとカッコイイですよね。

で、検索して彼の名前が出てくるといいのにな、と思ったわけです。
実際、私は弟の音楽大好きですから。
赤の他人にも聴いてもらいたいじゃないですか?

ちょうど五月は弟の誕生日でした。
そしてその頃私はちょうど、動画作りにはまっていました。
これがちょうどちょうどの良いタイミングで結びつきまして、
私は弟の誕生日に、彼の昔の曲のPVをつくって贈ったのです。
頼まれてもいないのに。
それが「昼へ」という動画です。



弟は喜んでくれましたねえ。
まあ、生まれた時からあんまり難しい所のない子でしたけど、
こういう時も文句ひとつ言わずに、
「いいねえ。最高だよ」
と受け入れるわけです。彼はね。

それ以後、私の動画作りは過熱していきました。
オランダ音楽紹介サイトをつくりまして、
そこにオランダ語の歌の字幕入り動画を入れるのですが、
それが面白くてね。
PVがある場合にはそれをそのまま使うのですが、
無い場合には自分で写真や動画を編集してつくります。
時間がかかるし、大変無駄な仕事ですけど、
夢中でやってしまうのです。

そして、つい最近、
また弟のPVをつくってしまいました。
もう誕生日とかそういうのはまったく関係なく。
頼まれてもいないのに(笑)。

私には Hiko Uemuraさんという、
近所に住んでいるフォトアーティストの友達がいるのですが、
彼女の昔の映像作品を使わせてもらいました。
Hikoさんも全然難しいところのない人で、
写真なんかも断わりを入れればすらっと使わせてくれますから、
以前から動画に時々使わせてもらっていたのです。

彼女の写真、やっぱり私は結構好きなんですよね。
彼女は人間がちょっと怖くて、
動物が好きで、
その動物好きは、
実は人間にたいする夢の裏返しじゃないか、っていう感じがするっていうか。
「人間がこんなにシンプルだったらどんなにいいだろうなあ」とか、
そういう風に思ってるのかなあ、と、
私は彼女を見る度に思うのです。
まあ勝手に思ってるだけで、本当はどうだか知りませんけど。
不器用で別に技術的にはうまかないけど、
物の眺め方やなんかに、どこか良い所があるんですよねえ。

今回の動画に使わせてもらった映像は、
なんでも彼女のアートスクールの卒業制作だそうです。
2006年の作品ですから、随分昔の作品で、
今は全然違うことをしているわけですが。

ただねえ、私の母が常々言っていましたが、
おしなべて卒業論文、卒業制作、処女作、
そういうものには、
その人の本質というものがまざまざと現れてくるのです。
良しにつけ悪しきにつけ、
その人が真剣に何かを考えて、何とか形にしようと格闘した痕跡、
その精神の形が必ず見えてくるものなのです。

で、この映像もそんな感じがしますね。
Hikoさんの空想がちゃんと存在していて、
それを成立させるために労を惜しんでいない。
とても大切なものを使わせてもらったなという感じ。
まあ、本当に感謝しています。

私が今回作った動画は2バージョンあって、
ひとつはバンド主体の「ディエゴ編」。

もうひとつはHikoさんの映像主体の「Studiko編」。

比べてみて、どっちが好きか考えてみて下さい。
あなたの性格がわかります。
嘘です。

ディエゴ編


studiko編


弟は喜んでくれましたねえ。
「ありがとう。きれいじゃない」
と、また感謝していました。

いつか彼がプロの人たちと組んで、
本物のPVをつくるような日が来るといいけれど。
まあ弟はそういうことにあんまり興味がないみたいだけれど、
私は観たいなあと、勝手に思うのですよねえ。

ま、でも、
身内や友達のつくる創造物が気に入ってるっていうのは、
幸福なことだなあと、
つくづく思ったことでした。

アヴァミスとヴェントリン

私の鼻にはまたポリープがあるそうです。

肝臓の数値が異常に高かったことを発端に、
肝臓の専門医、
肺の専門医、
耳鼻科の専門医にそれぞれ送られて、
一時は検査に耽溺していた私ですが、
その検査の結果わかったことは、

肝臓の数値がどうしてあんなに高かったのかはわかりませんが、
肝臓に問題はありません。

昔、好酸球性肺炎をやっていたのはわかりますが、
現在の肺に問題はありません。

鼻にポリープがあります。

というものでした。

耳鼻科のお医者さんは、
ちょっとがっちりした金髪男性で、
緑がかった目が素敵でね。
その緑の目で私を見つめて、

「もしかしたら手術かなあ」

という訳です。
鼻のポリープを取る手術は私も経験がありますが、
あの時は、ものすごく痛くてね。
ガーゼを取る際の激痛というのは、
それはそれは、恐ろしいものでした。
あれをやった医者のこと、今でも大嫌いですよ。
随分若い奴でしたね。
顔も覚えてませんけど、これはあれかな、
トラウマだから私の脳が忘れようとしたのかも。

「オ、オペレーションは勘弁してください。
 できればやりたくないです。すごく痛いから」

私は震えあがって耳鼻科医に言いましたら、
オランダ耳鼻科医はね、

「いや?
 痛くないですよ、ポリープの手術は?」

と緑の目で見つめながら、苦笑がちに言うのです。
まさか医学は、あれからまた進歩したのかしら?

まあでもね、
こういう場合の医者が言う「痛くない」「ちょっとしか痛くない」は、
歯医者でもなんでもそうですが、
主語が自分ですからね。
つまり、「あなたの手術をしている間、私は痛くないですよ」という意味なのです。
そこを間違えると、
大変な罠にかかります。

そんな事を考えながら、
「イヤダイヤダイヤダイヤダ・・・・」となっていると、
素敵なお医者様はこうおっしゃいました。

「ま、でも、ひと月くらい点鼻薬を出しておくので、
 それで経過を見ましょう。
 もしポリープが小さくなっていたら、
 手術の必要はありません。薬で散らします」

緑の目で、ちらっとこちらを優しそうに見てね。
私は医者というものには、かなりコンプレックスがありまして、
医者だというだけで半分もう好きになっている訳ですが、
この時は、これで、残り半分の心を持っていかれました。
だめだめ、私には私のオランダ人がいるのにね・・・・

その時に出された薬はFLIXONASE(フリクソナーゼ)という点鼻薬です。
400マイクログラム。
朝晩一回づつ、一回に一個を使い切る形の真空パックになっています。
二週間分で40ユーロくらい。
高いんですけど、これはとても良く効きました。
最初の一滴で、
もうフリクソナーゼがすごい奴だということがわかりました。
なんか、鼻孔の奥で、ガアンとポリープのボディを殴っているのがわかるのです。
ポリープが九の字になっているのまで、容易に想像ができるほどにね。
三日後には鼻がすっきり通っていました。
文句なしのKO勝ちです。
圧倒的な強さですよ。
プールみたいな匂いがするのですが、
その匂いも好きだったな。

で、ひと月毎日使い続けて、
耳鼻科にいって鼻を見せたら、
お医者様はいう訳です。

「ああ、もうポリープが見えなくなっていますね。
 手術の必要はないと思います。
 このまま半年薬を使い続けてもらって、
 半年後にもう一度、経過を見ます」

もう、フリクソナーゼ大好き。
「振り糞ナーゼ」なんていう当て字を思い浮かべて嘲笑していたかつての自分を、
フリクソナーゼ様に謝りたいです。

「ところで、
 薬を変えましょうか?
 今の薬は朝昼二回でしょう?
 別の薬にすれば、一日一回で良くなりますよ」

その医者が言うのです。

「いえ、でも、今の薬で結構よく効いているんですけど・・・」

私がそう言うと、

「効果は変わりませんよ。
 ただ、あなたにとって、そちらのほうが楽かなあと思うので」

緑の目で、私を見つめて言う訳です。
それで私は溶けましたね。

その日に処方されたのは、AVAMYS(アヴァミス)という薬でした。
日本ではまだ認可されていない新薬です。
約ひと月分で18ユーロくらい。
だいぶお安くなりました。

で、このアヴァミスを使い始めたら、
一週間くらいで、喉がイガイガし始めてね。
二週間くらいで、ずっと咳が出る状態になりました。
その時点で病院に電話したら、
緑の目のお医者さまは出ないでアシスタントが出ましてね、

「じゃあ薬をやめてください」

という訳です。

「え?やめてどうするんですか?」
「まあ、その咳が本当に薬の副作用であれば、止めれば咳も止まると思います。
 薬は、薬局でもともと使っていた薬をもらえますよ」
「・・・はあ」

で、薬を止めまして、
フリクソナーゼに戻りまして、
現在二週間が経過しましたが、
咳が止まりません。
話すたびに咳が出ますから、
しがない現地ガイドにとっては、失職の危機ですよ。

ちなみに、肺の専門医から、
咳が出る時にはこの薬を使えといって、別の吸入薬をもらっていました。
それがVentolin(ヴェントリン)です。
気管支拡張剤だそうなんですけどね。

まあ、別の医者からもらったものを使うのは良くないかもって、
一瞬思ったのですけど、
世界で一番よく使われている咳止めだそうですし、
なにより咳で仕事に差し支えていたのでね。
咳き込んで仕事にならなかった時に、
緊急でこれを使ってみたら、
なんと二、三時間、咳が止まったのですよ。
みるみるうちに、みたいな効き方じゃありませんけど、
ぼやぼやっと、そういえば咳が出てないな、
程度の効き方はしたのです。
それで、一週間くらい、毎日2,3度使ったのですけどね。

ところが、これを使うと、
夜中に咳の嵐がやってくるのです。
もう咳き込んで咳き込んで、
眠れなくなるほどに。
使えば使うほど、咳がどんどんひどくなっていくのですよ。
咳き込み過ぎてえづいてね、
吐きそうになりました。
それで、ヴェントリンも使うのをやめたんですけどね。

アヴァミスを処方されたのが5月22日ですから、
ひと月以上、咳が出続けていることになります。
大丈夫なのかしら。
というか、薬をやめたのに、
どうして咳がとまらないのでしょうね?

最近、ショウガシロップをスーパーで買ったのですが、
これが結構咳に効きます。
なかにショウガが入っているのですが、
それを飴みたいになめて、
シロップをお茶やコーヒーに入れて飲むのです。
これが今のところ、一番安心かも。
ただ、太りそうですけどねえ。

まあこれをもってして医療不信とかなんというのは、
尊いお仕事をなさっているお医者様に悪いですけどね、
まあ医療不信ですよ。わたしゃね。




大津市のいじめと「彷徨えるユダヤ人」

大津市のいじめを原因とする自殺事件が、
連日ネットを騒がせています。
日本から遠い所に住んでいる私でも、
PCを立ち上げればMSNニュースのヘッドラインで、
毎日この事件の見出しを見るのです。

それでこの間、
ふと興味をもちまして、
「大津市 いじめ 自殺」でググってみたところ、
いやー、びっくり。
いじめの首謀者とされる子供の顔写真が、
ダイレクトに出てくるのですよ。
そこから二、三回クリックすれば、
実名も、父親の顔写真も、住所も、
引っ越したことも、
その引っ越し先の住所も、
転校先の学校の名前まで出てくる。
他のいじめっ子の実名も出てくるし、
彼らの住所も、ひとりは引っ越して、もう一人はまだ大津市にいることもわかります。
あたかもそれが法律違反でないかのように
止め処のない情報流出が行われている訳です。

死んだ男の子が生前味わった恐ろしさ・惨めさ・絶望に比べたら、
彼らはまだ、大人がその実態を把握しているだけ、
孤立無援ではないかもしれませんけどね。
今だって彼らを守るために、
大勢の大人が動いている訳ですし。
まあ、怖いでしょうけどねえ。

今、大勢の人がいじめっ子たちがやったことに憤激し、
彼らを責め、彼らの所業を数え上げ、
自分に出来るやり方でつるし上げたいと思っています。
そのことは現実的に加害者の少年たちを脅かしているだろうと思います。

私はそのことを、まだ、どう考えていいのか、
ちょっとわからないでいます。
理性的には、未成年じゃないか、法律違反じゃないか、
私刑じゃないかと思う訳ですけど、
感覚的には共感を覚えているものだから。

自分たちのせいで自殺した男の子の死体探しをして現場をうろうろしていたという、
そういう残酷さと無神経さは、
未成年だからという理由だけで許されるには、
あまりにも度が過ぎているのではないか。
昔「女子高生コンクリート詰め殺人事件」というのがありましたが、
あの犯人の男の子たちは、
未成年だということで顔もパーソナルデータも公表されず、
あれだけのことをしながら短期間で出所して、
一人は大人になってから監禁暴行事件を起こしています。
その際には、事件の事を脅し文句として使ったそうです。

今ああいう事件を起こしたら、
家族から何からすべてを暴露されて、
日本から居場所がなくなるだろうなと、
そう思うと、
そうなっていけない理由は、
あの事件の場合は何一つない。

ただ、それと他の未成年者が起こした事件を全部ひとくくりにして、
一律に厳罰化したり、全部を晒していいようにするのは違う気がします。
だから、今回の大津市の事件みたいに、
法律ではあくまでも守られていながら、
市民たちによって情報公開が進んでいくというダブルスタンダードは、
なんとなく良い気がしちゃっているんですよね。
今回の男の子たちの個人名流出に関しては、
フジテレビのマーカーの入れ方が薄くて、
ちょっと見えちゃってたというのがきっかけらしいです。
良い仕事をしたなというのが、彼らに対する私の最初の気持ちですしね。

ただ、私が今気になっているのは、
その先には何があるんだろうな、
ということです。

この嵐が過ぎ去った後に、
無関係な人間が事件に飽きて、
いじめっ子たちの顔も名前も忘れた頃に、
当事者の男の子たちは、どういう風になっているのだろうか。
彼らがどういう人間になっているのが理想的なのだろうか。

廃人みたいになっているのがいいのかしら。
聖職者みたいになっているのがいいのかしら。
心の病気になったり、犯罪者になったりするのは勿論怖いですしね。
居場所を見つけられなくて、裏社会に入ったりしたら、
それこそコンクリート事件の二の舞でしょう。
心を入れ替えても、
そこから勉学に励んで弁護士になったり医者になったりしたら、
それはそれでどうなのって思っちゃいそうですしね。
昔、そういう暴露本ありましたよね。

そう、私には彼らの将来像、
こうなったらいいなという姿が、一切浮かんでこないのです。
弱い者いじめで、
死んだ雀を口に入れたり、
ハチを食べさせたり、
自殺の練習をさせたり、
毎日殴ったり、金をとったり、
そういう地獄を他人にたいして創り出した人間が、
普通に冗談を言って笑ったり楽しんだり、
人間らしく生きたりするのは、
道義的にどうも違和感を覚えますしね。
でも生きているってそういう事なんですよねえ。

逆に考えれば、
彼らはこうして注目されてしまったから、
この先どう生きても批判の対象になりますが、
同じような事を他人にしている子供は、
全国にたくさんいると思います。
ていうか、世界中に山ほどいますよ。
相手が自殺しないで、
対人恐怖症とか人間不信とかノイローゼ程度で済んだら、
「昔は俺も悪かったからよぉ」などと自慢しながら、
大人になって、妻子を持って、
誰からも責められずに笑ったり楽しんだり人間らしく生きたりするわけです。
自分の残酷さを悪いと意識しないまま、
特に誰からもそのことを批判されず。
普通の事なんですよね。

芥川龍之介の短編に、「さまよえるユダヤ人」という小論文形式の話があるのですが、
これは示唆深くてね。
すごく短い話だし、青空文庫で読めますから、
一度読んでみればいいと思いますけどね、
「罪」そして「罰」というものが、
どういうものなのか、その問いが、
短い話の中にぎゅっと凝縮されているのです。

さまよえるユダヤ人は、
十字架を背負わされたキリストが、
そのユダヤ人の家の軒先で休もうとしたら、
彼を足蹴にして、出てけと言って追い出した人です。
するとキリストは彼の目をまっすぐ見つめて、

「行けと云うなら、行かぬでもないが、その代り、その方はわしの帰るまで、待って居れよ。」

というのです。
ユダヤ人はその瞬間、恐ろしいほどの後悔に襲われて、
悪いと思ってしまってね、
泣いて謝りたいと思って、声を掛けようとしたけれど、
その時にはもうキリストは引っ立てられて、
随分先のほうに行ってしまって、間にあわなかったのです。
で、それ以来、
キリストが帰るまで、
そのユダヤ人は永遠に彷徨っていることになったのです。

この話の肝はね、
まわりで囃し立てたり、キリストにいばらの冠をかぶせたり、
十字架に吊るしたり、彼を殴ったりした人は大勢いるのに、
そういう人たちは誰も、
永遠に彷徨う羽目にはなっていないということです。
このユダヤ人だけが、
罪を自覚したというまさにその理由において、
永遠に彷徨うと罰を受けている。

罰というものの本質を、これほど短くも的確に説明している話は、
私は他に知りません。
やっぱり芥川龍之介は、天才だなって思いますね。

あの大津市のいじめっ子たちは、
反省しているのかな。
いまネットで彼らを叩いている人たちは、
究極的には彼らを「彷徨えるユダヤ人」にしたいのだと思います。
そして、もし彼らが本当に真摯に反省したとしたら、
もしキリストに見つめられてしまったのだとしたら、
おそらく永遠に彷徨うしかないだろうと思います。
だって、被害者が死んでしまった以上、
もうその罪は償いようがないわけですし。
取り返しのつかないことをした、それだけです。

一方、もし彼らが永遠に彷徨いたくないと思ったら、
彼らは罪を自覚しないという方法で、心を守るしかない。
もっと悪くなって、
「俺が実はあの事件をやったんだ、お前もそうしてやるよ」的な感じで、
自己存在の正当化・肯定をするとかね。
ただ、ここまで事件が大きくなって、
誰でも彼らの顔と名前を知っている世界でそれは、
難しいかもしれませんがね。

いずれにせよ、
子供が救いのない事をやって、
大人も救いのない対応をして、
野次馬達も信念のない騒ぎ方をして・・・
このままどこへ行くのだろうか、と、
思うのですが。

sorry

そうですね、
私は一昨日、私のオランダ人と喧嘩をしました。

きっかけは、些細なことでね。
お風呂場の洗面台がつまって、水が流れなくなっていたのです。
結構前からチョロチョロとしか排水されなくて、
何やらドブ臭くもあるし、
私としては解決したいという気持ちをずっと持っていたのですよね。

で、私のオランダ人がちょっと散歩に行った隙に、
あの何という名前か知りませんけど、
先端にゴム製のおわん状のものがついた棒で、
排水溝をガボガボやっていたわけです。
どうして私のオランダ人がいない時にやるかというと、
彼はこのガボガボいう音がとても嫌いだからなんですねー。
必要だからやっているのに、
気が狂ったようにイライラするのです。
バカみたいにね。

で、私は苛性ソーダの粉を入れつつ、
熱湯を注ぎつつ、
ガボガボやって、結構楽しんでいたのですが、
その最中に彼が帰ってきちゃってね。

でももう少しで何とかなりそうな気配もあったので、
私はガボガボするのを続けたのです。
どうしてもやめたくなかったものだから。
ほら、私は勉強とか仕事とかそういうの以外は、
途中でやめるの大嫌いですから。
もうガボガボやり過ぎて、
額には汗が浮かんでいるほどでしたけど、
彼のために早く終わらせようと、
さらに激しくガボガボやったのです。

そうしたね。
奥の、オランダ人の部屋から、
「‘+*>?#$%!!!!」
という怖ろしい奇声が聞えたのです。
私はなんとなく予想していたので、
あっという間に棒を放り出して、
彼の部屋に耳をすませ、
それから恐る恐る聞いてみました。
「・・・なんて言ったの?」
そうしたらね。
私のオランダ人はびっくりするような大声で、

「GODVERDOMMEって言ったんだ!!!」

と喚くではありませんか。
ドキンとするくらいの大声で。
バカみたいにね。

Godverdomme(ホッドフルドマと読みますが)は、
畜生とか、クソッタレとかいう意味で、品の悪い罵り言葉です。
オランダ人がこの言葉を言うと、威かすような響きを帯びて、
とても怖いのです。

で、あんまり怖すぎて、
最初はちょっと笑っちゃったんですが、
そのうち腹が立ってきてね。

いっても人間というのはね、
そんなに罵っていい存在ではありませんよ。
特に一緒に暮らしている人間というのは、
一番身近に要るだけに、それなりの尊敬を持って、
きちんと礼儀をもって接するのが当たり前ではありませんか?
例えば私は、一度だって私のオランダ人に、
ブタ野郎とか、低IQとか、一歩手前野郎とか、
そんな言葉を投げつけたことはないのです。
「バカねえ!」
っていうのは百回くらい言ってますけど、
それは、私がバカな男が大好物という背景があってのことで、
つまり、まあ、告白みたいなものですよ。

そこで私はぷっつり黙りましてね、
ガーンとそのガポガポ棒を壁に投げつけまして、
皿洗いを始めました。
もう、鬼のように黙り込んでね。
皿を洗いながら、
(・・・15分後だな)
と思っていましたが、
きっかり15分後に彼氏が台所にやってきてね、
「さっきはすみませんでした」
と言う訳です。

そう、もう交際13年目、同棲も6年目に入りますとね、
こういう時間計算は大変正確になってくるのですよ。
彼はワンパターンな人ですから、
どういう感じで、どういうセリフで謝罪に来るのかも、
ガポガポ棒を投げつけた瞬間に実は分かっている訳です。

「あの、さっきはね、
 君に言ったんじゃないんだよ。
 新しいヘッドホンを買ったんだけど、
 線が短すぎて、役に立たなくて、腹がたっちゃって。
 そして、お腹が空いていて、疲れていたのに、
 洗面所ではガポガポしてるから。
 でも、君に言ったんじゃない。
 ヘッドホンに言ったんだよ、ヘッドホンに」

たどたどしい言い訳を、
私は完全に無視しましたよ。
もう、怒っていましたから。

「ねえ?ねえ?
 どうして黙っているの?
 怒るなよ、君に言ったんじゃないって言ってるだろ?」

私が何を言っても無視しているものだから、
彼氏の口調が、機嫌を取るような口調から、
だんだんイライラした口調に変わりました。
ほうらね。
結局、悪いと思ってないのですよ。
その場をごまかすために言ってるだけ。
おためごかしですよ。
野田&東電みたいなものです。

「おい!無視するなよ!
 謝っているじゃないか!
 そんなに怒ることないだろう!」

それでも冷やかに一言も返してやらなかったら、
ついに私のオランダ人がキレました。
彼は私と違って癇癪持ちですからね、
怒らせようと思ったら簡単な訳です。

彼はくるっと踵を返して、台所の出口付近で、
「ホッドフル、ホッドフル、ホッドフルドマァァ!!!!」
と捨て台詞をはいて、退場しました。
ほううううらね。
全然悪いと思っていないうえに、
何が問題だったのかすら、全然わかってないでしょ?
こういう男のいい加減さが、女は大嫌い。
こういう類の不作法さは絶対に許してやらないわけです。

まあ言っても、彼氏の手なんか見るとわかりますけどね、
ゴツゴツして、やたらと大きくて、
節だらけでね。
あれは百姓の手ですよ。
ロッテルダム近郊の農村部で、
牛や羊とウマと共に、
または三人もいるやたらと巨大な兄弟たちと共に、
泥まみれ、クソまみれで、
取っ組み合いしながら育ってきている訳です。
要するに、粗野であり、粗暴であり、
「文明」という言葉は、彼にとっては、
遠くでまたたく街灯の灯り程度なのです。

だから、彼に、二度と繰り返さないように、
教え込んでやらなくては。
女性に放ってはいけない言葉があるってことをね。
よく日本には、自分の母親や伴侶に向かって、
「ババア」って言ったりする男がいるけど、
ああいう男は、本当に死ねばいいって思いますね。

で、私たちは冷戦を始めて、
二日目に突入しました。
昨日の夜は別々に寝ましたよ。
この別々のベッドに寝るっていうのは、
私のオランダ人が一番嫌いなことです。
私の両親はずっと別々に寝ていたので、
私はへっちゃらですけど、
私のオランダ人の両親はとっても仲の良い人たちだから、
彼にとっては妙に不安感を煽ることのようです。

でも、今回のオランダ人は強情でしたね。
いつもだったら真夜中頃に私の部屋にやって来て、
「どうして別々に寝るんだ!」と叫んで、
朝まで生テレビのスイッチを押してくれるわけですが、
昨日はわざと大きな音をたてて明かりを消して回って、
頑として私の部屋にはきませんでした。
バカみたいにね。

今朝も、何にも言わずに、
黙ってドアを開けて散歩に行きましたしね。
それでいながら、
ドアのところで、微妙に三秒くらい立ち止まっているのですよ。
私から、「どうして黙って行くの?」と声がかかるのを待っているのです。
そうはいくもんですか。
私は黙殺しましたね。
すると、彼氏は苛立ちオーラを満々とたたえながら、
バーンとドアを閉めて出ていきました。

まあね、同棲生活も6年目に入ろうとしていますから。
このあとどういう展開になるかも、薄々わかっているのです。
4年くらい前までは、
オランダ人は花を買ってきてくれました。
最近は酒か甘いものですが、
私は肝臓ブレイカーですから、甘い物でしょうね。
または明らかに要らないトンデモな雑貨を買ってきてくれる時もあったのですが、
私の反応が微妙だものだから、最近はやっぱり甘い物です。
そう、女なんてものは、物ですよ。
物理的な謝罪はいつでも受け入れるわけです。

もっとも、物なんか貰わなくても、
ちゃんと真摯に謝ってもらえば、
許しますけどね。
そういうのは期待しても無理だから。

というわけで、カイトマンの「ごめんなさい」です。
こんな風にちゃんと謝ってほしいですよ。
この映像を観て、私はカイトマン、好きだなって思ったんですけどね。
トランペットが、本当に歌を歌っているみたいで。
まあ皆さんは、
これを私のオランダ人が、
「せっかく二人のためにガポガポしてくれてたのに、
 イライラして、
 怒鳴ってごめんなさい」
と言っているところだと想像してお聴き下さい。







電子書籍の未来

毎年七月になると、
ブローグニックにとってのビッグセレモニーが行われますね。
いわば夏の大祭典、
毎年の恒例記念行事、
夏より熱い一大イベント、
お祭り騒ぎの幸福な一日。
そう、私の誕生日です。

まあ、毎年毎年、
仕事をキャンセルし、
一日じゅう自由時間に設定しておいて、
前日から準備をするわけです。

でも、今年は仕事を入れました。

そうね。
私も年だっていうことよ。
そうそう誕生日を心待ちにしてもいられないの。
自分も含めて、誰もこの日を本当に目出度いとは感じていないわけですし。
私のオランダ人に祝うことを強制しても、
心の空しさは募るばかり。
なんだか毎年自動的に祝ってしまうけれど、
この根拠不明の義務感を断ち切るために、
今年、7月27日は、
わたくし、仕事をします!

まあそうは言っても、
世の中にはそんなの当たり前だよっていう人も沢山いるわけでね。
むしろ大人であれば誕生日に仕事派のほうが大多数かもしれないわけで、
そういえば子供だって誕生日に学校に行くわけでね。
そう考えると、
本当に私って取り返しのつかないほど甘えた人間なのだなあと、
心の底から思ってしまいます。
誕生日に仕事を入れたことを考えただけで、
ちょっと悲しくなっている自分が、
やっぱり大人としてどうなのって事を、繰り返し考えてしまうのです。
でも逆に考えれば、それは、
今でも大人の階段を上へ、上へとあがっているということですよね。
進歩ですよ、これは。

で、そんな風にずっと進化し続けている自分に対するご褒美として、
私は一昨日アマゾンで、
ソニーのReaderを買いました。

$ブローグニック

噂のSony Reader PRS-350です。
9000円くらい。
ちょっと前まで倍ぐらいの値段だったと思うのですが、
すごく安くなっていましたね。
この350っていうのは一番安いタイプで、
パソコンにつながないと書籍のダウンロードができないそうですが、
まあ、全然それは気になりません。
書店に行って買う手間を考えたらね。

アマゾンでは海外発送してくれないので、
最初に実家に送ってもらって、
それから母にオランダに送ってもらいます。
誕生日には届くんじゃないかしら。

そもそも私がリーダーを欲しいと思ったのは、
一年も前の事です。
私のオランダ人が失業した時に、
お別れ記念でこのソニーの電子書籍リーダーをもらったのです。
ちなみにオランダではE-Readerと呼ばれていますがね。
で、とっても便利で読みやすくて、
一時期彼氏はこれにどっぷりはまり込んでいました。
オランダには海賊サイトもあって、
最新の本でもタダで手に入れていましたよ。
私は横で見ていて、うらやましいと、ずっと思っていたのです。

彼のリーダーを借りて日本語の本を読みたいなと思ったのですが、
やっぱり海外で発売されているリーダーは横書き対応で、
縦書きの文章は読めないみたいでしたね。
海賊サイトでハリー・ポッターの最終巻をダウンロードしてもらえたので、
日本語自体は表示できることはわかりましたが、
横書きで、翻訳はひどかったですねえ。
誤字脱字も多いですし、改行めちゃくちゃだし。
日本の電子書籍書店からのダウンロードは出来ませんでした。
うまくやれば出来るのかもしれないけど、
やり方は未だわからず。

で、今回の日本語版を購入するという、
ちょっとした贅沢を自分に許すことに至ったわけです。
まあ、誕生日ですし。

電子書籍っていうのは、それにしても大発展してほしい分野のひとつです。
考えれば考えるほど、すごく便利ですよ。

私は二十代の半ばくらいから海外に出て、
転々と移動しながら生きる人生が続いています。
特にロシアに住んでいた時代は、
四年の間に八回家を変えました。

その引っ越しのなかで、
自分の荷物をなるべく少なく、
未練の残るようなものはなるべく買わないという姿勢が出来上がったわけですが、
問題になるのは、いつでもでね。

私の本に対する尊敬は、
多分ほかの人よりも少ないと思います。
私の本って大抵食べながら読んだり、
風呂に入りながら読んだり、
一杯やりながら読んだり、
寝ころびながら読んだり、
とにかく汚いのです。
でも、その代り、一杯なくちゃいけないんですよね。
子供の頃から乱読・濫読で、
浴びるように本があるのが幸福な状態なのです。
図書館に住みたいですよ。

だけど本って重たいし、
かさばるし、
にもかかわらず、だんだん増えていくのです。
引っ越しのたびに、段ボール箱数個が本で一杯になり、
それが重量的は最大なので、
半分くらい人にあげたり、捨てたりということになります。
でも、
海外に住んでいると、本がなかなか手に入りにくく、
ちゃんと買うとものすごい値段なので、
なかなか捨てるのもためらわれます。
それに、書いた人の苦労を思うと、
どんなクズ本でも、ちょっとね。

電子書籍であれば、
場所を取らないですし、
膨大な紙を節約できます。
引っ越しの時にも、
パソコンとリーダーと、
あと十冊くらいの大切な本を持てばそれでよくなります。
一冊も捨てなくてよくなる。
死ぬ時にも、
「故人の遺産」的な側面がなくなって、
遺族もすらっと捨てられますしね。
取っておくという決断も簡単だし。
こりゃあいいですよ。

ただ、リーダーを購入してから、
ワクワクしてソニーのブックストアを覗いてみましたが、
これはまた、ひどいもんでしたね。
読みたい本が全然ないの。
ハウツー本みたいな、
ライトノベルみたいな、
安っぽいクズみたいな本ばっかり。
この品ぞろえは一体どうなの。
しかも値段が、全然安くないのね。
日本にいれば、ブックオフで50円を切るような本が、
普通に450円くらいするのです。
電子書籍で、紙代とか装丁代とか印刷代とか運送代とか、
そういう経費が全然いらないだろうに、
どうして紙の本と変わらない値段なんでしょうね。
電子書籍で感覚的に許せる上限て、
100円均一くらいでしょう、普通に?

で、鬼のような顔で、
「電子書籍」「高い」「理由」でググっていたのですが、
まあ、まだ出版社とか本屋が、
古い販売システムにしがみついて、
あんまり協力的じゃないというのが理由のようでした。
紙の本が売れなくなるからだって。
一時的にはそうかもしれませんけどねえ。
ただ、図書館があっても本を買う人はいるのですから、
ブックオフがあっても書店で買う人はいるのですから、
要するに売る側が発想をちょっと変えればいいだけだという気がします。

私の理想を言うならば、
大半の本は電子書籍にしてもらって、
その一部を図書館や趣味の人のために良い装丁でつくってもらうのがベストですね。
私は「果てしない物語」の装丁が大好きなんだけれど、
ああいうクリエイティブな装丁の本は、
電子書籍が主流になっても買うと思うのですよね。

逆に、私は最近宮部みゆきの「小暮写真館」という豪華装丁本を捨てましたが、
これなんか内容が装丁の半分以下で、
電子書籍で三分の一の値段で買いたかった本ナンバーワンです。
捨てる時には、もったいなくてね。
内容じゃなくて、立派な装丁が。
先に読んでいたら決して買わなかった一品です。
まあ、図書館で借りて読んだとは思うけど。

私は宮部みゆき大好きで、
彼女の書いた本はだいたい読むのですけど、
「小暮写真館」ていう本はひどかったですねえ。
やっぱり最近宮部みゆきの周りには、
イエスマンしかいないんじゃないかなと思います。
もう原稿さえ取れれば、どんなに陳腐でもOK出すような人ばっかりなんじゃないかしら。
あと、不機嫌になられるのが怖くて、
誤字脱字のほかは一切批判しない編集者とかね。
文章なんか恐ろしいほど崩れているし、リアリティに乏しくて、
大急ぎで書いたからか、出てくる人間がとっても大雑把でね。
人情出して来ればそれでいいと思ってる節があるし。
まあ一生分稼いだのでしょうから、
もうクズみたいな本しか書かなくても生きていけるのかもしれませんが、
風呂上りに彼女の小説を、一杯やりながら、
ラーメン食べながら読むのが大好きな身としては、
はなはだ残念な話です。

すこし話がそれましたけど。
そのうち、新刊本や昔の良い本が普通に電子書籍で買えるようになるといいですね。
とにかく、もうすぐ私の手元にリーダーが来ます。
なんのかんの言って、すごく楽しみ。
いま家にある本は、読んでしまった本ばっかり。
久しぶりに新しい本が読めるでしょう。



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