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ノルウェイの森

現在、オランダでは各地で「ノルウェイの森」の映画が公開されています。

私は一昨日、私のオランダ人と二人で、

デン・ハーグのフィルムハウスという映画館に観にいってきました。

私は昔から村上春樹文学とは相性が極悪なのですが、

でも日本映画がオランダで観られる機会って、そんなにありませんしね。

地元ロッテルダムで映画祭が行われているのにもかかわらず、

そこはスルーしてデン・ハーグに出かけましたよ。


フィルムハウスって、良い映画館です。

レアな良い映画がよくかかっているし。

私が行った回には私たちのほかには5人しか人がいなくて、

一番良い席を陣取って観ました。


で、映画ですけど、

良い意味でも悪い意味でも、

かなり原作の雰囲気や内容を忠実になぞっていたのではないかと思います。

つまりは、私とは相性が極悪だったということですが。


村上春樹さんのファンの方が気を悪くされないといいですが、

私は村上春樹さんが世界的にファンを獲得している状況について、

と思っている一人です。

いや、他にそういう人がいるのかどうかはわかりませんけど。

という感じですかねえ。大文字で。


なんだかね、彼の良さがちっともわからないの。

昔っからです。

私が「ノルウェイの森」を最初に読んだのは高校生の時で、

確か学校の図書館で借りたのだと思います。

赤と緑色の表紙がとても綺麗で、

それに惹かれて読みました。

その時思ったのは、

「ノルウェイの森」で一番良いところは装丁であるということです。


なんだかね、村上春樹文学を読んでいると、

私はちょっと薄笑いになります。

ニヤニヤしてしまうんですね。

特に主人公の周りの女の子たちが、

主人公をほめたり、主人公と寝たがったり、

自分の妄想を主人公に語ったりするたびに、

私は村上春樹の肩を叩いて、

「はいはい。あなたってモテルノネー」

といいたくなるし、

主人公がジャズが好きだったりバーボンを飲んだりビリヤードをやったりするたびに、

(しかもかなりの若年で。

 しかも主人公はそのことを自分でよく思ってなかったりね)

「カッコイイノネー」

といいたくなるのです。

だって明らかにそう言われたがっているもの。


いや、別に村上春樹さんがそんな風に思って書いているとは思いませんよ。

ただ、読んでいるとどうしてもそんな気がしてしまうのです。

これは巧妙かつ遠まわしに語られる自慢話だって。

そうして、自慢話の根拠になっているのは主に主観と妄想じゃないかって。

そんな気がしてしまうんですよね。

いや、あらゆる文学はみんなそうなのかもしれないけれど、

村上春樹さんの作品には、特にそういうことを感じてしまうのです。


描かれている女性像すべて、ことごとくに、

「そんな女がいるか!」

と突っ込みを入れたくなりますしね。


物語全般を総括すると、

「人生って深刻なんですね」

ということでしょうか。

鼻くそでもほじりながらね。


映画もやっぱりこの辺の、

村上春樹作品の持つ妙に気持ち悪いところを忠実に再現していましたよ。

私は彼の後半の作品を全然読んでいないので、

「ノルウェイの森」のっていうことになりますけど。


時代がちょっと古いので、

その感じもちょっと痛々しくてね。

ほら、古い写真で、その当時最先端のおしゃれをしている人っているでしょう。

その当時は格好良かったに違いないけど、

今はもうその必死さが・・・(笑)みたいな。

それでビリヤードとか得意げにやっていると、

なんでしょうねえ、


「だせえ!」


その一言がどうしても言いたくなるんですよね。

いや、大人気ないのはわかっているんですよ。

だって、そういう時代だったんですものね。

昭和ですよ。

昭和の映画なんですから、ダサいのは当たり前なんですけど。

でもキャスティングされている中心キャストが華奢でモデルみたいな感じの人たちで、

その人たちが70年代風の衣装を着て自信たっぷりに現れると、

どうにも懐かしいという気持ちが起こらず、

むしろ10年前の中国のトレンディドラマみたいでね。

そんなものがあるのかどうかは知りませんけど。


でもあれだけ当時の雰囲気(知らないけど)を再現できたのはすごいのかな。

私の母親があの映画を観たら、

懐かしいと思うのかもしれませんね。


というか、おしゃれというのは、

流行って廃れて、またリヴァイバルしてくるようなものだから、

今日本ではあの感じが可愛かったりするのかしら。

玉山鉄二が紫のスカーフかなんかで現れた時には、

思わず吹きましたけどね。

なんかものすごい格好いい台詞を言うんですよ、彼はね。

ものすごい二枚目なのです。

で、紫のスカーフをしている訳です。


私がロシアにいた頃、

ロシアで村上春樹は熱かったですよ。

一流の翻訳者による翻訳が次から次へ出て、

出したそばから売れていくような状態でした。

私も二冊ほど買って、ロシア語で読みましたが、

それはなぜかと言うと、

私のクラスのヴァーニャという結構才能のある男の子が、

「村上は最高だ。人生の本を見つけた」

とある日言ったからなのです。

で、ヴァーニャがそう言うのであれば、

もしかしたらそうなのかもしれない、と思ったのですけど。

ロシア語で読むと、日本語で読むときの臭みが半減されて、

かなり読みやすかったですけどね。

やっぱり言語感覚とか、そういうのもあると思うのですよ。

映画でも、松ケンさんが、

「私、ひどい髪型でしょう」みたいなことをいう菊池凛子にたいして、

「そんなことないよ。とても可愛いよ。」的な、

そんなことを半生な発声で言うたびに、

鳥肌をたてながらニヤッとせずにはいられなかった私ですが、

ああいうのがねえ。

へっ。

と言いたくなるっていうか。


途中で、菊池凛子が笑いながら、

「もちろん」と言う言葉を語尾に必ずつける松ケンに、

「そのモチロンっていうの、やめてくれる?」

と言うのですが、

私はその時、

もっと強い口調で、むしろ横面をはりながら言うべきだ

じゃないとこいつにはわからない

とさえ思いましたよ。

イライラしちゃってね(笑)


それにしても菊池凛子さんは気の毒でしたね。

あの最初のセックスシーンは一体なんですか?

あの紫色の皮膚の色は。

他のモデル風女性キャストに比べてちょっと容色が劣るのに加えて、

あんな死んでから一週間くらい経っていそうな色で松ケンの相手をさせるっていうのは、

一体どうなの。

ライティングもひどくって、

しみからシワから何から全部見えちゃって、

マツケンもニキビ跡から毛穴から何から全部見えちゃって、

まあ醜いこと、醜いこと。

松山さんの場合はまだ若い男の子だから良いけれども、

菊池さんは、あれはひどいですよ。

若い方のもう一人の女の子がモデルさんみたいで、

肌なんか染み一つなくてツルッツルだったので、

それが、これはなにかの象徴なのかと思うほどの対比でね。


私は基本的に人でなしなので、

菊池凛子演ずる直子が首をつって死んだときには、

「あー、やっと死んでくれた。

 良かったー」

とほっとしました。

いや、ああいう感じの人が私は一番苦手でね。

病んでいるっていうの?

それに人をつきあわせちゃう感じ?

実際にそういう人がいたらやっぱり気の毒なのでしょうけど、

映画で見る分には面倒くさくてね

「早くこの人のエピソード終わらないかな」と、

そればっかり思ってしまいましたよ。


私のオランダ人が、映画のあとで、

「ほら、あの主人公のガールフレンドで、

 あの濡れないから死んでしまった女の人が・・・・」

と彼女に関して言いましたが、

やっぱりね、映画を観た限りでは、

彼女は「濡れないから死んだ」と要約されても仕方ありません。

もう、濡れない濡れた、いつ濡れた、いつは濡れなかったと、

そんなことばっかり言っているんだもの。

昔のボーイフレンドの死は、

どうやらその濡れる濡れないに集約されているようです。


で、自分がいかに濡れないかを激白しつつ、

松山ケンイチさんが寒がっているのに知らん振りして、

草原を早足で闊歩して狂気をアピールする直子を見ていると、

私はこういう人本当に嫌いだなとつくづく思ってしまった。

この人が濡れようがどうしようが、

正直どうだっていいですよ


だからでしょうか、

死んだ直後の松山ケンイチさんの号泣を見た時は思わず笑いましたねえ。

歴史に「もし」は厳禁だといいますが、

あの時もし牛乳を口に含んでいたら、かなり遠くまで飛んだと思います。

リアルバカボンのパパみたいで、衝撃的でした。

あの泣き顔は本当に不意打ちだったな。

わざとだとしたら天才的ですね。


あ、私、どんどん非人間的になっていきますね、感想が。

これですよ、これが私が村上春樹と相性が極悪だという所以なのです。

彼は私のなかの黒い部分を、いつも巧みに引き出すのですよ。


でもね、監督はベトナムの方だそうですが、

自然描写がとてもきれいでした。

そう、雨とか草原とか、風とか雪とか、

鉢植えの植物とか、

そういうのはすごく、すごく綺麗でしたね。

この映画の良いところはそれだけかな。

まあ原作は映画マイナス自然描写だということで、

原作よりは映画のほうがまだ好き。

結果としてはそういうことです。


あ、でもあくまでも「私にとって」、ということですけどね。

村上春樹さんにはファンが多いですし、

ベストセラーですし、

熱狂的に受け入れられている訳ですし、

バーニャも好きなんだから、

だから、自分がわからないからって、

一概に駄目だといってはいけないのは勿論なのです。


ただやっぱり、私にとっては、

この映画は観ている間中、モジモジ、ニヤニヤした作品でありました。

きっついねー。




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