お年寄りの家族たち

百歳以上のお年寄りの行方不明者が続出している事件と関連して、

その家族の年金不正受給や祝い金詐取などが次々と発覚し、

逮捕者なんかが出ているわけですが。


最初は、

「日本の長寿伝説やぶれたり、ひひひ」なんて思っていた私ですが、

なんだか憂鬱になってきちゃってね。

だって、逮捕されたそのお年寄りの家族って、

みんな七十とか八十とか、

やっぱりお年寄りなんだもの。

そういうお年寄りが逮捕されて、

十何年ぶんだかの不正受給年金を、

返さなくちゃいけない、なんていうのを聞くとね。

返せるのかな。

すこんと返せるくらいのお年寄りなら、

最初から不正受給なんてしなかったでしょうしねえ。

もっとも、判断能力がなかっただけで、

警察やら弁護士やら第三者が割って入って、

家を売ったり親戚を捜したり、勝手にぐいぐい解決していけば、

払えないものでもないのかな。


それにしても、かわいそうな話だと思うのです。

あの置き去りにされた大阪の二児と同じくらい可哀想。

お年寄りといえば、大人のなかでも最高に大人だから、

なんとなく責任能力がありそうな気がするけれど、

実際には、やっぱりこれもある種の社会的なネグレクトですよね。


この日本という国が、

独身で健康でばりばり働いて、

生産及び消費能力がある人に有利に出来ていて、

それ以外の人間、

あんまり生産力もなくて弱い年寄りとか子供には結構残酷に出来ていることを、

つくづく実感します。


オランダに比べると日本は良い物や洒落たものがたくさんあって、

あれも欲しい、これも欲しいと、

日本に帰ると物欲のカタマリになる私ですが、

もし私が六十五を過ぎて仕事がなくて、

日本に暮らしていたら、

怖くて何も買えないかもしれません。

私みたいなその日暮しをしていたら、

貯金だってあまりないだろうし、

母の暮らしぶりをみていると、

普通の人間がひとり暮らすのに、

年金なんてとても足りる額ではありません。

でも、お金は息をしているだけで出て行くし、

日本社会はお金を使え、使えと盛んに煽るし。

そう考えると、日本での老後なんて、

私には考えもできません。


賢い人はそれでもちゃんと若いうちから将来設計をして、

年金も払って、

厚生年金が出るような仕事をして、

年取っても海外旅行に年に一度は行けるような、

そんな老後を送るのだろうけれども。


でも、一旦そんな計画がぽしゃった人は、

つまり、夫に途中で死なれちゃったり、

子供がいるのに離婚しちゃったり、

自分が怪我をして動けなくなったり、

アーティストを目指していて最後まで芽が出なかったり、

そもそも最初からバカだったり、

つまりは大勢からはみ出してしまった人は、

どうなるのだろうか。


・・・親の死体を自宅に置いて白骨化させても、

月に三万円くらいを受け取りたいと、そういう風になるのかな。

それが一人や二人だったら、

個人的な性格破綻や、怠惰な人生の結果だといえるでしょうけれども、

全国に一体何百人いるのという話ですからねえ。


やっぱりねえ、私はこの人たちの責任と言うよりも、

行政が良くないと思うのです。

世界でも何番目かに豊かな国でありながら、

その豊かさがまったく福祉に反映されなくて、

ちょっと金ができれば、

個人の買いまくれ食いまくれに終始してね。


ちゃんと働かない・働けない層は勝手に死ね方式は、

企業にとっては有利でも、先進国としてはどうなんだろう。

そうして、そういう雰囲気から生み出される不安感や閉塞感が、

ちゃんと働いている層をも蝕むことを、

意識するべきだと思うのですけど・・・。


私は老人福祉と児童福祉というのは、

社会がどれだけ負担を強いられても、

補償しなければならないものだと思います。

子供は大きくなって社会を支える足腰となるし、

老人は自分たちの未来を見る際の指標になる。

いま現在働けている人たちは、苦しくたってなんとでもなるんだもの。

現況と戦う術を持たない人たちが、

どれだけ幸せに暮らしているか、守られているか、

それが、自分が戦う術を持たなくなった時の見本になると思うのです。


「糸井重里みたいな年寄りになりたい」と思って、

リッチで趣味の良い老後を宣伝するのもいいけれど、

現実に人々が見ているのは、

ちゃんと働いてこないで、貯金もなくて、

身体も悪くて、子供には見捨てられていて、

頭もぼんやりしていて、

風呂に入るのも面倒くさく、

おまけに自分の親がまだ生きているお年寄りの姿です。

その人たちがそれなりに幸せにならないうちは、

この閉塞感というか、不安感はぬぐいきれないのではないか、

と思うのですけど・・・。

やっぱり人間が考えるのは、

「将来はどうなるだろう」

ということなわけだから。


でもちゃんと働いて税金を納めている人たちは、

この「ちゃんと生きてこなかった人たち」に税金が使われることを、

不公平だと感じるのだろうか。

うーん、どうなんだろう。

私自身がちゃんと生きてないから、

わかりませんけど。






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カルチャーショック

私は最近、朝一番でオランダ語で新聞を読むようにしています。
日本と同じで、ウェブで新聞を読めるのです。
私がいつも読んでいるのは、Telegraafという結構中庸な新聞です。
海外の記事から国内の記事まで、芸能関係もスポーツも充実していて、
ウェブの紙面も読みやすいです。

ところが、今朝の小さな記事がちょっとびっくりでね。
ナインメーヘンの強盗事件で、警察犬が生き残ったという記事なのですが。

Politiehond overleeft steekpartij overvaller

NIJMEGEN - De politiehond die vrijdagmiddag in Nijmegen door een overvaller werd gestoken, heeft dat toch overleefd. Dat meldde het Openbaar Ministerie zaterdagochtend. De politie meldde eerder nog dat de hond was overleden.
Kort na de steekpartij schoot de politie de verdachte dood, op de Neerbosscheweg bij het Bastion Hotel. De man zou eerder een vestiging van de supermarktketen Lidl hebben overvallen.
De identiteit van het slachtoffer is nog niet vrijgegeven. De Rijksrecherche onderzoekt de schietpartij, een standaardprocedure in dit soort gevallen. De politie Noord- en Oost-Gelderland doet het forensisch onderzoek.

(Telegraaf)


ちょっと訳してみますね。

警察犬 強盗との闘いを生き延びる

ナイメーヘン - ナイメーヘンで金曜夜に警察犬が強盗によって刺されたが、命に別状はなかった。土曜日朝に検察の調べによって判明した。警察はそれ以前に、犬は死んだと報告していた。
 襲撃後すぐに容疑者はNeerbosschewegのバスティンホテルの横で警官によって射殺された。男はスーパーマーケットのチェーン店Lidlに強盗に入り追われているところだった。
 犠牲者の身元は発表されていない。警視庁はこうしたケースの標準的な手順として、銃撃戦の調査を進めている。北および東ヘルダーランド警察は法定捜査をする。

(テレグラフ)


そう、犬が生き延びたということが、犯人が射殺されたということよりも、力点を置かれて書かれているのです。
犯人とはいえ、人が射殺されているんですよ?
犬は刺されただけなのに!
いや、犬だろうが人だろうが、命に違いはありませんけどね。

そうか、だから、まあ正しいのかな。
死んだものはもう取り返しがつかないけれど、
生きていれば、そこから先に展開がありますしね。
だから、「死んだ」ということより「まだ生きている!」ということに重点がおかれることは、
正しいのかもしれない。

・・・でもねえ。
「警官によって射殺」ですよ?

いやあ、ちょっとカルチャーショックだったわ。







長寿第一位

ちょっと前、オランダの記事で、

日本女性が今年で25回連続の最長寿に輝いたという記事を見たのですよね。


そのあとで、109歳の男性の遺体とずっと暮らしていた家族の記事があって、

そのあとから、全国で調査が行われ、

行方不明の100歳以上の老人がボロボロ現れてきて、

私は正直、

日本の長寿神話はたんに死亡確認がずさんだったため

なんていう先進国ならぬ状況に、ちょっと笑ってしまっています。


もう100人を軽く越えたらしいじゃないですか?

来年はこの感じだと、長寿ランキングも二位か三位くらいに転落ですかね。

大変めでたい。


やっぱりねえ、このくらい独居老人だの、老老介護だの、

孤独死だの、老人の自殺だのというニュースが流れていて、

それがすべて家族制度の崩壊と、老人福祉の手薄さに原因があるときに、

単に一世紀以上を生きている人間が世界一多いだけで、

やったねー!ウレシイネー!

と喜ぶのは変だと思うのですよ。


そりゃ金さん・銀さんみたいに注目されて、

チヤホヤされて生きていられれば幸福でしょうけれど、

大抵の老人はお荷物扱いされて、先行きに不安を抱えつつ、

実際問題、

「徘徊して出て行ったきり帰ってこないで30年」(奈良市の100歳女性の家族)

なんていうことが起こっているわけですから。

不幸で不安で、面倒をちゃんとみてもらえないのに、

または病院で管でつながれて、生きているか死んでいるかも自分ではわからないのに、

125歳まで生きたって、おめでたいことは何もないでしょう。

あ、この国内最高齢125歳の女性が住んでいるはずのところはとっくの昔に公園になっていたそうですが。


私はいつも、日本最長寿ニュースを苦々しく聞いていたのです。

なんだか、恥ずかしくてね。

いや、長生きする人が多いのは良いことかもしれませんけど、

でも何も世界で一位である必要はどこにもないと思うのですよ。

特に現在の、この状況の日本で。

生きていたって、お年寄りにはそんなに良いこともないと思うし。

死んで欲しくない人は私としても山ほどいますが、

そういう人ほど早く亡くなりますしね。

逆に、死んで欲しくないと周りの人から思われないで、

そういう人々のやっかいになりながら延々と生きてしまうほどの不幸は、

この世にはないように思われます。

もう本当にね、生きていればいいっていう考え方はやめましょうよ。


日本の平均寿命は、乳幼児の死亡率が低いことも支えていて、

これなんかはお医者さんと看護婦さんの努力の結果で、

立派なことだと思いますけど。


この一連の行方不明事件で、

お年寄りがどういう風に生きているかという調査が進むといいなあと思います。

そのことによって、老人福祉がもう少し見直されないと、

日本人は生きていくことが不安でたまらないだろうと思うのです。

若い人だっていつか年をとるんだし。

年を取れば、身体がきつくなってきて、

自分の面倒が自分でみきれなくなり、

人生がハードになってくるのは日本もオランダも同じですけど、

オランダのお年よりはもう少し行政から守られていますよ。

家族が面倒みられなくなってきているのは同じでも、

老人介護が制度としてきっちり存在しているので、

そんなに不安に思わなくてすむ訳です。

やっぱり、年寄り・子供・低所得層がどう生きているかで、

その国の先進性・成熟度が推し量れますよね。


世界長者ランキング、

来年は、二位か三位くらいになっているといいけど。

そうなれば私は嬉しいです。










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