ゴホゴホゴホ

最近どうも咳が止まらなくて、調子が悪いのです。


私には咳喘息という持病があり、

これは昔、好酸球性肺炎というのにかかった時の名残なのですが、

毎年冬になると、咳が出てくるのです。

アレルギー性鼻炎もあるし、

鼻は出るわ咳は出るわ、ひどいことになってますよ。


一昨日は明け方ものすごく咳き込んで、

朝の四時くらいからずっと居間で咳をしていました。

咳き込みすぎて吐くかと思った。

肋骨を折る人もいるんですってね?

咳で肋骨は折りたくないなあ。


私の咳喘息もアレルギーだそうですから、

つまり鼻炎も喘息も、もとはアレルギーで、

つまりは持病はアレルギーということかしら?


なんでも、昔お医者さんが説明してくれたところでは、

白血球の中には幾つか種類があって、そのなかに、

好酸球という、酸素を食べてしまうものがあるそうです。

私のかかった好酸球性肺炎というのは、

この好酸球が血液のなかで増えすぎて、

肺の中の酸素まで食べちゃって、

肺が炎症起こしたものだそうです。

お医者さんに行った時には、

肺が真っ白で、底に水が溜まってしまっていたそうです。


「チョモランマの頂上にいる感じ」

と私の症状を説明してもらったのですが、

確かにあの時は疲れやすくて、

本当に高山病(?知らないですけど)みたいな感じでした。

15段くらいの階段があると、ぜえぜえ肩で息をする感じになって、

踊り場でしゃがみこんで体力をためないと先に進めなかったし、

しゃべるたびに咳が出て、走るなんてもっての他でしたね。


それでも病気らしい病気はしたことがなかったので、

家族も含めまったく病気の線を疑わなくて、

「風邪が長引くねー」なんて言っていたんですよね。

息が上がることについては、

「運動不足もここまで来るとねー」

なんて言っていました(笑)。


ちょうどお隣が母の幼馴染の耳鼻科医だったものだから、

耳鼻科に行って咳止めとか貰っていたのです。

一度内科にも行ったけど、気管支炎だという診断で、

それも薬を貰ったけど利かなくて。


結局、あんまり息ができなくて疲れるので、

大学の指定病院を調べて(治療費タダになるから)、

わざわざ遠くまで死にそうになりながら行ったんですけど、

そうしたらね。

明らかに家庭がうまくいっていなくて、

医者も天職じゃないのに忙しすぎて、

全部がやっつけになっている面倒くさそうな医者から、


「あー・・・。風邪だと思うよ?

 お薬出しときますよ。

 それとも一応、レントゲン取っとく?

 まあ大丈夫だと思うけどね」


と言われたので、


「あー・・・。

 じゃあ一応お願いします(どうせタダだし)」


とだるそうに返答して、レントゲンを取ってもらったところ、

その医者が今度は追い詰められたような声で、


「これねえ、あなた、肺が真っ白ですよ!

 こんなのねえ、即日入院ですよ!

 今すぐ入院してください!

 ここまで歩いてこれたのが不思議なくらいだ!」


とキャンキャン叫ぶのです。

自分が薬出すから帰れというニュアンスで話を進めていたくせに、

今度は何でこんなになるまで放っておいたんだという感じで責めるの。

でもその時はもう50メートル歩くごとにしゃがみこむ状態だったので、

言い返すような頭がなくてねえ。

というか、もう腹も立たなかったな。


それよりも、「即日入院」という言葉に頭をやられてしまってね。

今から考えると笑えますけど、

頭が真っ白になって、

すぐに当時劇団の演出家だったお医者さんでもあるヤマトさんに電話をかけました。

そういえばその時、ヤマトさんのお芝居に出る予定だったのです。

もう、電話をかける指とかが震えているんですよ。

ウブでしたから、私も。


「や、や、やまとさん、

 私、肺炎で・・き・・・緊急入院らしいんですけど、

 どうしたらいいでしょう・・・。」


ここまで言って、途中から泣き出しそうになってぐっと堪えたんですけど、

ヤマトさんは気の毒そうに、


「そうかー・・・。

 でもおれ、精神科だからなー。」


と発言し、頼りにならなさを100%発揮してましたよ。

そんなわけで、ヤマトさんのお芝居に出られなかったんですけどね。

結局ひと月ほど入院していました。


思えば、この時の好酸球性肺炎が、

人生の転機でした。

この時を境に、身体がめっきり弱くなりましたもの。

もう、演劇大学にいるときなんか、

何度死ぬと思ったかわかりませんよ。

鼻炎とダブルパンチになると、

もう演劇どころの話じゃないですよ。

呼吸器がこうも弱くなかったら、

私は今頃舞台に立って「桜の園」でもやってますよ。

嘘、嘘。

才能ないから多分やってませんけど、

それにしてもねえ。


今でも、冬場になると咳が出始めて、

お医者さんに行って血液検査をすると、

好酸球が増えているのです。

なんで増えるのかな?

何かのアレルギーで増えるんですかねえ?


今年の冬はオランダで越して、

病院も行かなかったので、

ちょっと悪くしちゃったみたい。


でも、この病気のいいところは、

「息が出来る」

ということにたいして、非常に繊細になれることです。

普通の人は息が出来るの当たり前だと思っていますけど、

私にとっては、

大笑いしたときに咳が出ないというのは、

かなりの喜びなのです。


入院して、結構な量のステロイドを服用したわけですが、

ステロイドってすごくて、

あれほどひどかった肺炎が、

10日くらいで嘘のように良くなったのです。

半月後には階段を上って屋上に上がっても、

ちゃんと息が出来るようになっていました。

その時の嬉しさというか、世界がぱああっと開けるような、

病院の階段をキラキラしながら飛んでいく様な感じを今でも憶えています。


だから、今こんなにキツイ状況ですけど、

これでお医者に行って、薬を貰えば、

おそらく半月後には、

またあのキラキラが体験できるという訳です。

うれしーいたのしーい、だーいすーきー


まあキライですけどね。



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ヴァージニア工科大の殺人犯

32人殺しの犯人の動画。


写真と全然顔が違う・・・。

写真だとまるきり東京工科大にいそうな日本人みたいでしたが、

動画だとやはり、典型的な韓国顔のような気がします。

彼はやはり本国で兵役を終えて、

それからアメリカにやってきたのかしら。

それとも、兵役免除でアメリカに来て、

そのまま永住権をゲットしたのかしら。

気になるところです。



ヴァージニア大量殺人事件及び長崎市長殺人事件

アメリカの学校で、また銃の乱射事件 があったそうですね。

彼氏に、24人死んだそうだ(その時点で)、と聞きまして、

それからその人数が最終的に32人だと確定されて、

まあどうなっているのかしら、アメリカは!と、

犯人の写真を見てみてびっくり。



チョ・スンヒさん

チョ・スンヒ容疑者


アジア人だし。

銃乱射とか、32人殺害とか、

そういうクレイジーな事をするのは白人だろうなという気がしていましたが、

完全な偏見でしたね。

というか、ものすごく日本にいそうな顔立ちだと思うのは私だけ?

よくいますよね、教室にこういう子。

数学が得意で国語が苦手系の。


そういえば、日本にも同じような事件がありまして、

32人、という数字を聞いて、

すぐに連想したのが、

日本の「津山30人殺し事件」

もう70年も前のことだそうですけど!


今回の容疑者は23歳ですが、

津山30人殺しの犯人は22歳。

大量殺人に走りやすい年頃なのでしょうか。


時間も津山事件は1時間半の間の犯行、

ヴァージニア事件は2時間半ほどのものだったそうです。

うん、似てる似てる。

って、それ以上でもそれ以下でもありませんが。


ただ、ヴァージニア事件の際は、実際の殺人に要した時間は5分くらいだったみたいですね。

5分で30人はすごいですよ。

たとえば素手で30人、

または包丁でも、

30人殺そうと思ったら、

ものすごい時間が掛かりますしね。

相手も逃げるし、自分も血みどろになるし、

取り押さえられたり、つかまったり、

いずれ途中でへたばってやめちゃうと思うんですよね。


気の狂った危険な人は、どこにでもいるものですが、

どんなにカーッときてても、

どんなに気が狂っていても、

丸腰であれば、

30人は殺せるものじゃないと思います。


やっぱり銃っていうのはすごいんだなあ。

一瞬で、30人ですからね。

自分の殺した人間の、顔を見る暇さえない殺人です。


在米韓国人社会には、衝撃が走っているそうです。

トラブルを避けて帰国する人達だとか、

慰安婦問題で活動してた人達も集会を取りやめにしたとか。

これから韓国人コミュニティに対する攻撃や暴力が始まるんじゃないか、と

危惧する声もあるそうです。


でもねえ、

かの地では、もう中東系もテロの関係からかなりアウトですし、

黒人もやっぱり低所得低学歴になりがちで差別がありますし、

これでアジア系もダメかってなったら、

じゃあ見た目的にどの人種だったら安全なのかって話になってきますよね。


事件の背景にあるのは、

この男の子個人の背景や人種的な特長なんかではなく、

社会的な背景ですらなくて、

要するに、銃社会、ということに尽きると思います。

つまり、やろうと思えば5分で30人も殺せるのだということで。


人種的にいろいろ入り混じって社会が成立しているって事は、

共通認識や相互理解が容易ではなくて、

対立やトラブルや誤解、偏見や軋轢が生じやすい社会なんだろうと思います。


そういう社会が、銃社会であるというのは、怖いですよ。

怖い以上に、不可能だとさえ思います。

アメリカはこれでも、よくもっているほうじゃないかしら。

やっぱり優秀な人が多いんだなあ。


アメリカが頑として銃社会を貫くその根底にあるのは、

全米ライフル協会の政治献金だけではなくて、

個人の自衛権の思想なんですってね?

日本は刀狩なんかが伝統的にあって、

武力は権力が持つものだという発想がどこかであるようですが、

アメリカは、国家権力やどこかの集団が武力で暴走したときに、

一人ひとりが自衛して対抗できるように武器を持つのだ、

と聞いたことがあります。

そうして民衆が武器を持っているそのことが、

民主主義的な平和維持につながっているとか。


そういえば、

核抑止なんていうのも、結局は同じことなのかな。

あれだって、対立している国同士が、

どちらも核を持っていれば、

お互いに怖いから、かえって核を使えなくなるっていう考え方ですよね。

これも提唱しているのはアメリカですし、

やっぱり武器によって保たれる安全っていうのは、

ごくアメリカ的な発想なんですかねえ。


だけどそんな事、理屈だけの世界の話だと思いますけどね。

実際アメリカは、銃も核も持っていない日本と比べて、

この50年の間に、

どれだけ国内で射殺事件があって、どれだけ海外で戦争があったのか。

だれだけ殺し、殺されてきたのかって話ですよ。

武装しないと安心に生きられないなんて、嘘だと思いますね。


核といえば、長崎市長が殺害されたそうですね。

これも銃で撃たれたのですって。

長崎って広島に比べるとずっとリベラルなのだと聞いたことがありますが、

それと関係あるのかな。


長崎市長と言えば、前任の本島市長も殺されそうになっていますよね。

あの時は天皇の戦争責任に言及したことで殺されそうになったそうですが。


長崎市長って命がけなんだなあ。


と、とりあえず思いました。


加藤紘一さんの自宅が焼かれるなんていう事件もありましたよね。

これは、小泉元首相の靖国参拝を批判したことから焼かれたそうです。


以前、シベリア鉄道に乗って、

モスクワーイルクーツク間を旅行したことがあるのですが、

その時三等車で同乗のロシア人たちと仲良くなって、

色々な事について話したことがあります。

ていうか、ロシア人が一方的にしゃべっていたんですけどね(笑)


面白かったのは、三等車に乗っているような、

貧乏なロシア人たちはみな一様に、

「ソビエト時代は良かった!」

と言っていることなのです。

「だけど、スターリンの時代はどうなの?言論統制とか?」

と質問すると、

「それでも今よりはよっぽどましだ!

 言論統制なんていうけど、俺たちはいつでも好きな事をしゃべっていたし、

 べつにそれで逮捕されたりしてない。

 グラスノスチで自由になったのはポルノだけだ

とかって言うの。


もの言わぬ人々にとっては、言論統制なんていうのは、

痛くもかゆくもないんだなあとつくづく思ったんですよね。


行動する人・意見を表明する人、

人種的・思想的マイノリティにとっては実に恐ろしい時代も、

一般人にとってはどうってことないのです。

日本だって、ヘアヌードを見せるかどうかって論争になったりするけど、

自衛隊の軍事費を見せるかどうかは、あまり盛り上がりませんしね(笑)。

そこに興味も持たない。

普通の人にとって、情報量と質が問題になるのは、

本当、ポルノくらいなのかも。


実際問題、

言論の自由を図るバロメーターって言うのは、

一般人の自己感覚ではなくて、

作家とか政治活動家とかマスコミとか、

オピニオンリーダーがちゃんと発言できているか、

発言・表現の安全を保障されているかってことだと思うんですよね。


だから今、逆に日本で、

「発言をした人」がこんな具合に物理的な暴力にあったり、

たとえば乙武君が皇室に男の子が誕生したときに発言して、

掲示板が物凄いことになったりしていましたけど、

ああいうのを見ると、

大丈夫なのかなあとつくづく心配になります。

そりゃ、法律では言論の自由は保障されてますけど・・・。


モスクワデモ

な、なんと!

あのカスパロフ氏が、モスクワのデモを先導して、

逮捕されたそうです。


ICCでお名前だけはよく拝見していましたが・・・。


yahoo!ニュース


それにしても、プーチンは歴代のこの国の指導者に比べ、

非常に有能であることは確かですが、

やり方がどんどん強硬になってきていますね。

人気がそれについてきているので、

「何をやっても許される」的な、

そんな雰囲気を感じます。

高名なカスパロフ氏さえ敬意を払われず、

実力粉砕ですよ。

うーん、あのカスパロフ氏が・・・。

うーん・・・・。




ロッテルダムマラソン

朝、珍しく彼氏が、


「今日はロッテルダムマラソンなんだ。

 観にいこう、観にいこう!」


なんて言うので、

二人で連れ立って観にいきました。

ここ一週間くらい、ロッテルダムは最高にいいお天気です。

今日なんて外に出てみたら、

お日様がじりじり照りつけて暑いくらい。

にわかに夏になったようでした。


ブラックという中央広場が出発地点だったようですが、

私たちはゴールから50メートル地点のところに立ちました。

着いたときはもう一時半くらい。

もうすぐ1位の人が到着するという時間でした。

すごい人出で、みんな「アディダス」とか書かれた旗を振っているので、

私も立ってとりあえず手とか振ってみました。


しかしねえ、マラソン見物の気持ちって、

私はイマイチわかりませんね。

彼氏が珍しく積極的だから、

「この子がこんなにやる気を出すなんて!」

という、お母さんみたいな気持ちでついてきましたが、

実際問題、誰が早かろうと遅かろうと、どうでもいいんですよね。


私は走ったりすると、すぐ咳が出てしまうから、

人が走ったりするところを観るのも、

なんだか苦しくなってしまって好きじゃないの。

ダンスみたいに芸術に昇華されてればまだしも、

マラソンって本当に、ただ走ってるだけでしょ?

多分世界に終わりが来て、弱肉強食の世界になったときに、

彼らは生き延びて、しかも他の人を助けたりできるけど、

私なんか誰の役にも立てずにすぐ死んじゃう。

それはわかるんですけどねー。


必死に皆が旗振って、音楽ががんがん流れ、

キイキイワアワア叫んでいる中で、

頭を太陽にじりじり焼かれながら、

すぐにも帰りたいのを我慢している自分がいました。


1位の人はだれか黒人でしたが、

2位の人は日本人だったようです。

男の人。

走ってくる姿をチラッと見ましたよ。

彼はかなりスリムで筋肉質でした。

でも1位の黒人のあとだったので、

一瞬ごく普通のサラリーマンが走ってきたように見えました。

彼が背広着て電車の中で新聞読んでいたりしたら、

結構セクシーだったりして。

こう、密やかな筋肉を平凡な外見のうちに隠し持っているっていうの?

ああ、セクシーですね、それは、多分。

ていうか、大いにありですね。


やっぱり、私もマラソンくらいやるべきかしら。

絶対やりたくないけど、でもやるべきかしら。

もし大江健三郎だったら、

絶対やりたくないがやるべき事が目の前にあった場合、

一番やりたくない事にバアアンと飛び込んでいくんだろうな。

多分、マラソンでダイエットってすごく大江健三郎みたいな気がします。

ストイックなところが。

あー・・・、今これを読んでいる人は、

「そうかあ???」と疑問に思っていると思いますけど、

これね、本当に、本当に。


まあそんなことはどうでもいいですが、

それから私と彼氏は、走っている人々がよく見えるベストロケーションを探して、

そこらをうろつきました。


彼氏は自分の白い顔が気になっているらしく、

日に焼けたくてたまらないんですって。

私も結構色の白いほうですが、

腕の内側の色を比べっこなんてすると、

やっぱり自分は有色人種だなあとつくづく思います。

白人の彼氏は、本当のミルク色というか、真っ白シロ。


面白いもので、そういう風に真っ白な人達にとって、

白い肌でいるということは「イケテナイ」ことだそうです。

よく中年の女性で、お洒落なんだけれども、

日焼けで肌が茶色くなって、きめもボロボロで雀斑だらけの人を見かけますが、

あれいいんですって。


彼氏も、太陽がガンガンに照りつけているところをわざわざ選んで、

しかもずーーーっとそこに立っていようとするのです。

私は日に焼けると、そばかすが出てきてしまうのに。

すでに鼻の頭はそばかすで一杯。

これ以上増えたら、もう場所がないっすよ。


彼氏が25キロ地点というところで立ち止まり、

「参加者の最後の一人が通り過ぎたら帰ろう」

というので、

40分くらい立っていたのですが、

なんなんでしょう、ロッテルダムマラソンって、どのくらい参加者がいるものなんでしょう?

ゾロゾロ、ゾロゾロ、いつまでも走者の列は続きます。


それにしても、色々な人が走っているもんですね。

こんな人が・・・???と思うような人も走っていました。

おじいちゃんとか。

特に走りこんでいる風には見えないような体格の人もいたし、

顔が真っ赤で、もう死にそうになっている女性もいました。

なんか酔っ払っているようなテンションのおじさんとか。

これだったら私にも出来そうだとチラッと頭によぎりましたが、

彼らはその時点で25キロ走ってきているんですよね。

25キロですよ。

私なんて、歩くのでも25キロは・・・。

咳が出ちゃう!(←すでに言い訳)


2時間ほどもじりじり太陽に焼かれて、

やっと帰ってきましたが、

彼氏はまだそれでも物足りないらしく、

サイクリングをしようと言い出しました。

普段はチェスしかしないオタクの彼に、一体なにが起こったのでしょう。

「良い天気」がオランダ人にもたらす影響は、

馬鹿に出来ないものがあります。


私はサイクリングはさすがに断って、

涼しいベランダで熟睡しました。

彼氏は一人で行っちゃった。

そして、すっかり日に焼けて、満足そうに帰ってきました。

なんでも、今日はかなりの暑さのために、

16人ほど参加者が病院に運ばれて、

マラソンは途中で中止になったとか。

いやー、やっぱりねえ。

半端じゃなかったもの。


やべー

今日の朝がた、

ヘッドフォンで音楽を聴きながら、お皿を洗っていたのです。

学校をサボってね。


私は家事をする時、

なにかとやりつけていないものだから、

すぐイヤになってしまうのです。

というか、それでもやり始めれば、

自分としてはたいしたものなのですけどね。

だから、なるべく愛機ポドコフを装着して、

シャッフルにして、一種の興奮状態に自分を持っていって、

家事をやるようにしています。


シャッフルって、いい機能ですよね。

昔好きだった曲が、不意に流れてきたりして。

今日お皿を洗っていたときに流れてきた懐かしの曲は、

あのエヴァ でした。


大声で一緒に歌いながら、

いろいろなことを思い出しました。

昔、このアルバムをロシアからもって帰ってきて、

音楽をやっている弟に聞かせたとき、

「野暮ったい」と言っていたっけ。


・・・あら?

そこでちょっと思ったのですけど。


弟は「野暮ったい」と言ったのですけど、

こんなスタンダードな言い方ではなくて、

ちょっと男の子風に変化をさせて言ったのです。


なんだったっけ?

「野暮ったい」の男の子風の言い方。

あの子、なんて言ってたんだっけ?


・・・やべー?


いや、でも、それだと、

「やばい」の変化とかぶるし。


なんだろう、なんだろう。

考えてみたけれど、「やべー」以外に思いつかなくて。


お皿を洗って、洗濯をして、

彼氏のシャツにアイロンをかけているところで、

答は突然、稲妻のように頭にひらめきました。


「やぼってー」だ。


そうだ、そうだ。

野暮ってー、て言ったんだ。

というか、少し考えればわかりそうなものですけど(笑)。


私はMぴーと話すとき以外、

普段ロシア語でしゃべっているのです。

だから、ちゃんとした日本語が話せなくなってしまうのではないかと、

いつも心配しているのだけれど、

文章語は、普段本は読んでいますから、

そんなにヘタヘタになったりしないみたい。

むしろ、こういう、

日常会話中の日常会話みたいな表現、

しかも自分ではなかなか発さない言葉が、

どんどん消えていくのだなー・・・と印象的でした。


今、ヴァンピーロフという人の戯曲を翻訳していますが、

戯曲の翻訳というのは、いってみれば、

話し言葉を書いていくってことですからねえ。

話し言葉のボキャブラリーがどんどん少なくなっていくのは、

怖いことだなあ。


それにしても、

『野暮ったい』と『ヤバイ』

だったら、

言葉としては「野暮ったい」のほうが年上で、

格調が高いような気がするのですが、

使用頻度が「ヤバイ」のほうが格段に上なだけに、

「やっべー」は「やばい」の指小形とかぶるということだけで、

じゃあ「野暮ったい」さんは「やっべー」を使わないでください。

ということになる。

「野暮ったい」にしてみたら、「やっべー」なんて使いたくもないでしょうが、

ちょっと切ない話ですよね。


・・・というか、なんだか埒もない話ですね、これ。

なんでこんなこと書いているんだろう?

エホバの証人 NL

それはその朝、一本の電話から始まりました。


朝9時30分、彼氏が仕事に出かけていった直後、

私が歯を磨いていたときのことです。

ジリリン、ジリリン。

電話が鳴りました。

朝に電話が鳴ることなんて、滅多にないのです。

というか、半年オランダに住んでいたなかで初めてです。

普段はオランダ語が恐ろしくて滅多に受話器をとらない私ですが、

思わず受話器に手が伸び、

気がついたら「ハロー?」と言っていました。

すると。


「あのー、もしもし?」


・・・・!

に、日本語?!


しかも全然知らない女性の声で。

電話の向こうの見知らぬ人が日本語を話すなんてのは、

日本にいれば当たり前だけれども、

ここはオランダですからね。

全然当たり前じゃないですよ。

というより、心臓がきゅっとなるくらいの衝撃です。


「は、は、は、はい。はい?はい。」


とりあえず一杯「はい」と答えましたが、

頭の中は「どうして?」で一杯です。


すると、

「私、ケリちゃんの・・・」

と向こうが言うではありませんか。

そこでやっと、全てが腑におちました。


ケリちゃんというのは、おそらく私のクラスの中国人カイリのことです。


カイリというのは、真面目で、努力家で、無遅刻無欠席、

成績優秀な優等生。

カイリは私よりも年下ですが、

頭がいいのでいつでも状況をちゃんと把握しているし、

面倒見も良くてねえ。

わからないことは常にカイリに聞いていたものです。

言語的によっぽど近いところにいるヨーロッパ系の学生と、

唯一張り合っていけるアジア人でしたね。

しかも、努力で。努力だけで。

どれだけ勉強してるんだろうなあ、みたいな人でした。

つい最近中国に帰ることになって、オランダ語教室を辞めたのですが、

二コール(先生)が非常に惜しんで、お別れパーティすら催したくらい。

脱落者がぼろぼろ出ているクラスで、お別れ会を開いてもらえるなんて、

ひとえにカイリであればこそなのです。


ところで、

そんなカイリは、エホバの証人でありました。

そう、あの、輸血をしてはいけないという。

そう、あの、クリスマスを祝ってはいけないという。

そう、あの、十字架を崇めてはいけないという。

そう、あの、隔週で勉強会を開くという。

あの聖書原理主義者たちの一人なのでありました。

まあ、信仰にでも支えられていなかったら、

人間あんなに真面目に生きられるもんじゃないですよねー・・・。

カイリに聖書の話とか、戒律の話とか始めさせたら、長かったですよ。

半端な興味じゃついていけないくらい、マニアックで深い話が多かったな。

ヘラヘラして聞いてるうちに、

あ、これ笑うところじゃない

と不意に気がついたことが何回もありました。


そんなカイリが、この間別れの席で、

私とMぴーに、日本語の本をプレゼントしたいと言い出しました。

知り合いの日本人女性あてに本を送るから、自分が中国に帰ったあと、

彼女からその本を受け取って欲しいと。

私とMぴーは「ありがとう」って言いましたよ。

突然贈り物があるって、他でもないカイリからそんなこと言われたら、

それはありがとうって言いますよね。

すごく嬉しいって。


だから、電話を聞いたときも、すぐにぴんと来ました。


「ケリちゃんでしたっけ?彼女から話は聞いていると思いますけど、

 その件で、ぜひお会いしたいですけど」


とその女の人は言うのです。

ていうか、カイリとそんなに親しくないのか?

滑らかな、明らかにネイティブの日本語なのですが、

どこかひっかかりがあるというか、時々ぐらっと怪しくなる話し方。

ハーフなのかも、と私は思いました。


「今日の朝か昼くらいに、お伺いしてもよろしいですか。」

「あの・・・朝はちょっと。12時半まで学校なので、その後でしたら。」

「そうですか、それではその頃にまたお電話します」

「わかりました。お願いします」


そう言って一旦電話は切れました。


次に電話があったのは12時37分のことでした。

多分、時計を見ながら待っていてくれたんだな。

そして、一番いい瞬間を見計らって電話をくれたんだな。

そう思いましたね。

つまり、授業が終わる直後ではなく。

移動して自転車に乗るほど間を空けさせず。

荷物をまとめて、皆と挨拶を済ませて、上着を着て、教室から廊下に出る。

そしてちょっと歩き出す。

その間約7分ほど。

その瞬間に掛かってくる電話。

こんな風に緻密な計算をした電話をかけるのは、

日本企業くらいかと思ってましたよ!


「1時くらいに、お会いして、お話がしたいのですが。よろしいでしょうか?」

「はあ。それでは、私、駅の近くに住んでいますから、セントラムのほうまで行きましょう」

「セントラム?いえ、私たち、私ともうひとりオランダ人の友達がいるんですけど、車なんですよ。

 車をとめる場所もわかりませんし、今セントラムのあたりは渋滞がひどいので、

 やはりお宅に伺いますよ。」

「うちに・・・?は、そうですか、わかりました。お待ちしています。」

「それでは、1時に。」

「あの、それで家の住所なんですけど・・・」

「ああ、知ってます。」


・・・知ってる?うちの住所を?


・・・どうして?


そうか、私の電話番号を知ってるくらいだから、

住所もカイリが教えたのかな。

そうか、そうか。


でも電話を切って、考えているうちに、どんどん不安になってきました。

私もやはり、東京生まれ東京育ち、

大都会で、疑心暗鬼の神様と一緒に大きくなりましたからね。


住所も電話番号も握られている感じ。

電話のかけ方が、非常に仕事っぽい感じ。

突然、友達と一緒に、見ず知らずの人の家に直接来る感じ。


本を届けてくれるんだと思ってたけど、

これはやっぱり・・・。


エホバか?


不安なときは、友達に電話。

「パンが一切れあったらジョニーと僕とで半分こ」のルールです。

私は同じ学校の日本人友達、ぞんちゃんに電話しました。


「はいもしもしー」

「もしもし、カチカですけどー」

「ああ、どうもどうもー。ひさしぶりー」

「ひさしぶりー。今日これから家来ない?」

「なんやのーん、とつぜーん?」

「うんちょっとさー。これこれこういう訳でさー。

 エホバの証人がうちに来るんだと思うのー。

 独りじゃちょっと怖いからさー」

「はははー。なんやねーん。

 だけど私、今、アムステルダムの近くにいるのよー。

 大阪から友達がきててなー。ごめん、いけへーん。」

「あ、そう、わかったー」

「けどなー、ぜんぜん知らない人やろ?

 絶対うちにあげたらあかんでー。

 玄関口で帰ってもらい!」

「そうかな?」

あたりまえやーん。そんなん絶対やでー。あかんで!

 そんならまたねー」


そういう感じで「家にはあげるな」という方針を得ました。

「あたりまえ」って言葉に、私は弱いですよ。


だけど、家にあげないっていったってね。

向こうがあがる気満々だったらどうするの。

しかも、カイリの知り合いなのに。

良い人かもしれないのに、玄関で「それじゃ」とか、

そんな失礼なこと言えないですよ。

無理無理。

気の弱い私にそんなハードルは高すぎます。


そこで、しばらく考えてから、

教えてもらったあの女性の携帯に折り返し電話を入れて、

ロッテルダム駅前のEngelsという名物喫茶店にロケーションを変更してもらいました。

かなり渋っていたけど、そこは気がつかない振りで。

かなりキョトンとした女の子を装って、

「自動車も、どこに置いたらいいかわからないしー」といって許してもらいました。


まあ、門前払いよりはましでしょう。

たんに良い人で、友達になれそうだったら、

勧誘でもなんでもなくて、私の杞憂だったら、ごめんなさい。

その時はコーヒーおごりますから。


そんなことを心の中で呟きつつ。


Engelsまでチャリをとばして、待つこと15分。

彼らはやってきました。

オランダ人女性と、日本人女性の二人組。両方とも中年女性です。

日本人女性は、生粋の日本人でした。

ただ、夫がベルギー人で、もう30年もベルギーとオランダで暮らしているとか。

なるほどねえ。

それで日本語がちょっと変な風にあやふやになってきてるのかな。

30年もこっちで暮らしたら、私もこんな風になるのかしら・・・。



「ごめんなさい!遅れてしまって。なにしろすごい渋滞で。

 今駅前ですごい工事しているし、大変でしょ。

 次にお会いするときには、やはりお宅にしていただけるとありがたいんですけど....」


次?

つ、次って・・・?

お宅にして頂けるとありがたい・・・?

これは、もう何かのコースがスタートしているのだろうか?(戦慄)


でもそうは言っても二人とも、普通に良い人たちでしたよ。

感じが良かったし、優しかったし。

やっぱり布教活動が目的でしたけど。


一緒に勉強したいそうです。

聖書は愛の教えだそうです。

カイリの言っていた本のことは自分には何のことだかわからないけれど、と、

本の代わりに「目ざめよ!」というパンフレットをくれました。

サブタイトルは「ついに病気のない時代!」というの。

あまり読みたくなかったので、


「あーこれ、カイリから貰いました。何冊か貰いました。 

 手元にあるので、いりません。」


と適当に大人返事をしたところ、


「ああ、そうなんですか。それじゃ、目を通してくださったのね。

 ありがとうございます。」


と彼女はにっこり笑いました。

そして、あろうことか、


「それで、お読みになられて、どう思われました?

 なにが印象的でしたか?」


・・・!!


そんな具体的な質問、反則ですよねー!

答えられるわけがないじゃないですか。

読んじゃいないのに。

罠ですよ。


「えっ・・・。あの・・・それはですね・・・。ええと、

 ・・・何が書いてあったけなあ。

 ええと、ええと。忘れちゃった。

 ・・・すみません、もう一回見せていただけますか・・・?


 あーなるほどーおもしろいですねー(←ごまかし)


そう言ったら、

次から次に号違いの「目ざめよ!」を出してきて、

「差し上げます」って言い出すので、

さすがに「興味ない」と正直に言いましたけどね。

もう30歳なのに、しどろもどろになっちゃった。


そうはいっても、私は意外と、宗教の話は好きなんですけどね。

まあインチキな宗教観に基づいているわけですが、

暗示とか象徴とか、奇跡的な偶然・一致とか、好きですしね。

演劇アカデミーにいた頃は、神と絡めて台本を読み解いていくの、すごく好きだった。

解釈の無限性とか、整合性とか、宗教団体の歴史的な不正義を言い立てるのとか、大好きですし。

身を入れてこの人と話し出したら、

意外に、2、3時間は平気で経っちゃうかもなって思いました。

ていうか、経っていました。


だけど途中からやっぱり面倒くさくなってきて、

のらりくらりと逃げ回って、

「また会いましょう」というのを

「うーん・・・。そう・・・です・・・ねえ」と言葉を濁して、

振り切って帰ってきたんですけど。


だけどねえ、

その帰り道、どうも心がモヤモヤ嫌な気分なのです。

何かなあ、何かなあと思っていたのですが。


考えてみるに、あの女の人達が2人で来た、ということなのです。

そもそもの、モヤモヤの根本にあるのは。


日本エホバさんが、日本人の私と、日本語でずっと話すわけだから、

日本語のわからないオランダエホバさんなんて、いなくてもかまわないのです。

途中で日本エホバさんが、愛の種類が幾つあるかわからなくなっちゃって、

すっかり混乱した末に、

「えーと、アガペーでしょ、エロスでしょ、あとピリアっていうのがありますよ、

 それと・・・それと・・・あら?三種類だったかしら?四種類よねえ?

 3?4?あがぺー?エロス?ねえ、どうだったっけ?」

て聞いたときに、

「ええと・・・アガペーでしょ、エロスでしょ・・・・あら?あがぺーは?言った?」

て自分も混乱して、お役に立ってなかったし。

まったく何のためにいるのかわからないオランダ人を、

それでも横に座らせておくのは何故か。


私は、

日本エホバさんがひとりでくるのが嫌で、

オランダエホバさんに頼んでついてきてもらったんだろう、

なんてふと思ったのですよ。

そりゃあ、勧誘のマニュアルがそうなのかもしれないですけどね。

まえ創価学会に勧誘されたときも二人組みだったし。


でも、それにしても。


こっちは宗教の勧誘なんて、詐欺に近いような感覚があるから、

こっちばかり面倒で怖いんだと思っているけれど、

あちらの立場に立ってみれば、

知らない人に、嫌がられるってわかってて会いにいくなんて、

怖いし、しんどい事ですもんね。

私だって一人では嫌ですよ。


こっちの警戒心をはじめから想定したうえで、

聖書なんか取り出して、「愛はね・・・」みたいな、「アガペーと・・・」みたいな、

自分でもよくわかっていない、胡散臭い話を始めなくちゃいけない。

なのに、自分が本当に真実だと感じていることは、

言葉によってゆがんでしまって、変な風に誤解されて、

いつでもちゃんと通じない。

そうして、初対面の人に、やんわりと、またはきっぱりと、つきあいを拒絶される。


これ、商売でプロの人がやっているんだったら別ですけど、

素人がボランティアでやらなくちゃいけないんだとしたら、

ずいぶんストレスのたまる話ですよ。

大体、私がそれで勉強会に行くようになったって、

あの人達は1ユーロだって受け取るわけじゃないんでしょう。


ずいぶん、よそよそしく、関係を断ち切ろうとしちゃったよなあ。

最後に、


「またひと月後くらいに、連絡を取って、

お話しをさせていただいても宜しいでしょうか?」


と聞かれたときに、


「え・・・・。うーん・・・。」


と返事に困っていたら、

急に相手が、


「でも私、忘れっぽいので、

 忘れちゃうかもしれないんですけど。

 忘れてしまっていたら、そちらから声をかけていただけますか」


と言ったのです。

渡りに船とばかり、


「ええ!ええ!もちろん!是非。


て応えましたけどね。

かけるわけないだろと思いつつね。


後から考えると、多分、心に引っかかっているのは、

この台詞を言ったときの、

彼女の表情の引っ掛かりじゃなかっただろうかなんて思ってしまうのです。


彼女だって、自分にドン引きしている人間を、

追っかけていって獲って食いたいわけじゃない。

初対面の人間に、そう思われたかったわけでもない。

でも、そういう役割になってしまった。

多分、この、「忘れてしまったら」ていう仮定は、

双方にとっての逃げ道なんでしょうねえ・・・。


次、もしも電話が掛かってきたときには、

友達づきあいはしようかな。

もうかかってこないかもしれないけど、良い人なんだし。

それとも、そんなことしていると、エホバ証人圏に引きずり込まれてしまうの?

いいや、そんなことはないだろう。

エホバに勧誘はありえないと、日本エホバさんは言っていたし。

Mピーだってイスラム教徒だけど、全然普通に友達になれた。

せっかく日本人に会えたのに、ずいぶん嫌な顔をしちゃったかもしれない。

勉強会には断固出ないで、友達付き合いだけは続けるか。

そんなことあっちがしてくれるの?


そんな埒もないことを歩きながら考えていたら、

なんだかモヤモヤしてきてねえ。


これだから、宗教団体は。

これだから、これだから。

人を勧誘に送り出して、

こんな訳のわからない葛藤を双方に生み出す時点で、

愛もクソもないだろうと思っちゃう。

神様なんて、胸の中にだけ適当にいてくれればいいのに。


イースター

昨日から、イースター休暇で、

学校はお休み。

ぐだぐだ、だらだら。


イースターって何をするのかな。

スーパーマーケットにも、そこらへんのお店にも、

ケーキ屋さんにも、

卵や鳥をかたどった色々なお菓子や飾り物が一杯あるわけですが、

それでなにをすればいいのかが今ひとつわからず。

食べればいいの?それでいいの?


昨日は彼氏の父上さま、ディックが、

を持って来てくれました。

私はディックが大好き。

もう76歳にもなるのですが、

おとなしくて、優しくて、すごく良い人です。


駅では切符をなくし、

地下鉄の改札ではひっかかったのを無理やりスルーしようとして

ガガガッとひっかかり、

車を運転すれば迷子になって事故を起こすと言う、

そのいつでもちょっと戸惑っているマインドも、

人種は違えど、私と同じ系統なんだなあとつくづく思えるのです。

どこかユーモラスなの。

しかもごくごく上品な、天然のユーモア。


ディックの家には、よくディックの二人のお姉さんたち(ふたりとも独身)がきますが、

この二人もやはり、同じように優しい&上品&おっぺけぺーの組み合わさった性格で、

ディックの家の伝統なのかなと思いますね。

私もこういう人間になりたいと、つくづく思うのです。


ディックが昨日もって来てくれたのは、

の枝。

でも、まだは咲いてなくて、つぼみの状態です。

日本ではもう満開だと言いますよね。

こちらではまだまだ寒いのかな。

私もお花見がしたいなあ。

Mぴーでも誘ったら、ついてきてくれるかな。


この間日本に留学したロシア人の友達が、

「いま、桜がすごい!!!」と言っていました。

東京の桜の名所を教えてくれというので、

上野公園とか、明治神宮とか、馬事公苑とか、

ネットで調べていくつか教えましたが、

そういえば私って、こういう名所とかおいしいレストランだとか、

そういうことをあまり知らないなあとふと思ったのでした。

私の日本にいる友達は、

いま社会人も10年目前後にさしかかろうかというところで、

日本社会のど真ん中にいるわけです。

あの人達と話すと、忙しいでしょうに、

本当に色々知っているんですよね。

東京の色々なスポットを。

あれはどういうことなんでしょう、仕事に必要なのだろうか?


そんなこんなで、今日も良い天気(サザエさん)。

近所の公園にでも行って、

カモやアヒルに古いパンでも投げてこようかな。


この間、

ロシアの若い人の戯曲を翻訳してみたので、

昔劇団の同期だった友達に送ってみたら、

12月に上演してくれると言いました。

早速劇作家にも連絡を取って、許可をとりました。

12月は、多分日本にいないけど、

とりあえず何の当てもなく翻訳したものが形になるのは、

すごくうれしいことでした。

どんな風に出来上がるんだろう。観てみたいなー・・・。


私もいつまでもこんな、お金にならないことばかりやっていないで、

働かないといけないんだけど。

だけど、そんなの実はどうでも良くて、

本当はその上演を観てみたくてたまらないのね。

だって私、キリギリスなんですもの。


マリファナの日

今日は「マリファナの日」だそうです。

私たちの住むアパートから歩いて5分ほどのところに、

小さなコーヒーショップ(マリファナを売っているところ)があるのですが、

今日はそこにも結構長い列が出来ていました。

子供も大人も、老人たちまで並んでいるあたり、やっぱりオランダだなと思いましたね(笑)


この「マリファナの日」というのは、

オランダ政府公認でやっているもので、

マリファナの正しい用法と、そのリスクも含めて、

国民にレクチャーする日だそうです。

この日、パスポートを持ってコーヒーショップへ行くと、

Nederwietというマリファナと、Afghaanというハシシが10グラムづつタダで貰えます。

NederwietNederNederlandNeder、つまり、

ダッチ・カスタマーブレンドというわけです。

スタンダードなマリファナですね。


もちろん、貰ってすぐに帰れるわけではなくて、

受け取る前に、コーヒーショップの中でレクチャーがあります。

どうやって購入するか、優良店の紹介、

コーヒーショップの仕組みやマリファナ流通の構造から始まって、

葉っぱの種類、マリファナとハシシでどう違うか、とか、

ソフトドラッグとハードドラッグの違い、

ハードドラッグの危険性、ドラッグ中毒の具体例、

困ったときの連絡先、

そんなことを1から10までレクチャーされます。

時間にして約2時間くらい。


私は彼氏がマリファナに嫌悪感を示すので、

まったくマリファナをやったことはなかったのですが、

「マリファナの日」ってオランダ的ですごく面白いと思ったので、

彼氏を説得して、行ってきました。


コーヒーショップに足を踏み入れるのは初めてで、ちょっとドキドキしましたよ。

ちなみに家の近所のコーヒーショップは、

10人も入れば一杯の小さな店で、

ピンク色の壁に、木製のテーブルと椅子がバラバラと置いてある、

アットホーム(?)な造りです。

そこに20人くらいがギュウギュウで座っているの。

子供三人連れて立っている人までいて、

みんなそんなにマリファナが欲しいか!


毎日この店の前を通って学校に通っていますから、馴染みはあるわけですけど、

やっぱり見るだけなのと、実際入ってみるのとでは、大違いですね。

カウンターのところが防弾ガラスになっているのも、初めて知りました。

店内は、とても特殊な匂いに満ちていました。

意外とオーガニックな匂いというか(笑)


でもレクチャーは全部オランダ語だし、

私はオランダ語がさっぱりわからないので、

もうただ2時間座っているだけ。

時々彼氏が通訳してくれましたが、全部はさすがに無理みたいで、

どうも退屈でしたねー。

子供は12歳から参加が許されるそうなのですが、

やっぱり退屈そうに脚をブラブラさせたり、落書きしたり、

子供同士でじゃれあっていたり、やっぱりつまらなそうでした。

そりゃそうですよね。


マリファナはタバコと同じなので、子供には配布されません。

子供には、その代わりに、

space cake が配られます。

これは、マリファナが混ぜ込んであるケーキだそうです。

子供たちはレクチャーには全然興味なさそうに、

聴きながら、クチャクチャ早速食べていました。

外見はまるっきりチョコレートケーキみたい。

私はタバコも吸わないので、なんだかこっちのケーキバージョンのほうが羨しくて。


「こっちの方がいいなあ」

と彼氏に言ったら、

「君は子供だからねえ。スペースケーキなんて、子供の食べ物だぜ

とひやかされました。


コーヒーショップによっては、

子供用のクラスと大人用のクラスを別々にしているところもあるそうです。

私も、わけた方がいいなと思いました。

レクチャーが全然わからずに、スペースケーキだけを食べて、

いい気持ちになって帰るだけじゃ、かえって子供には良くないと思うし、

啓蒙の意味が全然ありません。

レクチャーは、むしろ子供にとってこそ大切なのに。


25歳以上は、パスポートと申請書を持ってゆけば、

ハードドラッグの体験コースもあります。

スピードの一種を試せるそうですね。

私たちは知らなかったので、申請書がなくて、今回参加は出来ませんでしたが、

こちらはコーヒーショップではなく、保健所で実施されるようです。

完全無料ではなくて、一人15ユーロ。

でも、相場を考えれば全然安いと思います。


ハードドラッグは法律で禁止されていますが、それでもやはり暗黙には出回っているわけで、

その芽を完全に絶つには至っていません。

「ある」ものを「ない」ことにして、禁止ばかりしていると、

タブーゆえに欲しがる者があらわれ、不法に高価で危険な代物が、地下に出回ることになる。

それくらいだったら、ドラッグについての知識を広め、

その危険性を啓蒙して、その先は大人の選択に任せたほうが、

かえってリスクは少ないのだ。

という、オランダ流の考え方が、根底にあるとか・・・・。


日本人の私にとっては、

両手を振って肯定できる考え方ではありませんし、

この国の実態と照らし合わせると、

疑問に感じざるを得ない部分も沢山ありますが、

理屈としてはまあ、筋が通っていると言えなくもないような・・・。


今、私はレクチャーから帰ってきたところです。

私と彼氏の手には、マリファナが10グラムづつ、あわせて20グラム。

さあ、初マリファナをやってみようかな・・・。

















ここまで読んでくださった皆さん、

ドキドキを共有して下さいましたでしょうか?

それとも途中ですぐに気がついちゃったかな?

あの、あのですね、今日は何の日でしょう?

「マリファナの日」?

その前に。


そう「エイプリルフール」ですね。

ごめんなさい。

嘘でしたー。




・・・あの、怒っている方とか、いらっしゃいませんよね?

冗談ですから。

不謹慎だと思ったら、そこはひとつ、

オランダが悪い

と思ってやってください。


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