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初4K映画 Maze Runner The Death cure

先日、「メイズランナー」の新しいのを観に映画館に行ってきました。
私の家から自転車で5分くらいのところには行きつけの映画館があるのですが、
今回は別の映画館へ行きました。
フェイエノールトのサッカースタジアムのすぐそば、自転車で30分くらいのところです。
何故かといえば、ロッテルダムで4K映画が見られるところといえば、ここしかないのですね。
4K映画は人生で初めて。
すごくワクワクするかと聞かれれば、
私ももう41歳ですからそれほどでも無いですが、
でもね。
新しい事をする自分と言うのは、何につけ誇らしいものです。

それにしても自転車が重くてね。
ロッテルダムのセントラムからフェイエノールドの方角へ行くには、
エラスムス橋という800メートルもある巨大な跳ね橋を渡らねばなりません。
これがもちろん緩やかな半円を描いていて、上り坂&下り坂なわけです。
上り坂のペダルの重いこと重いこと、途中で止まって倒れるかと思いました。
私ももう41歳で、この年齢を常に念頭に置いてしまう今日この頃なのですが、
この時ばかりは本当に「もう年なのかな・・・」とすっかり悲しくなりました。
でも、途中で気がついたのですが、
坂を上がり切って、下り坂に差し掛かっても、自転車は重たいままなのですよ。
ブレーキを閉めずに全速力で滑り下りようとしても、
相変わらず途中で止まって倒れそうになります。
よく見たら、ブレーキが自転車のタイヤを押さえたままで固定されていて、
ずっとプレーキを半分かけた状態のまま漕いでいたようです。
そうか、年のせいではなく、ブレーキかけっぱなしだったのだな。
私の心は晴れました。

でも、そんなこんなで映画館に到着した時、
私は髪を振り乱して、とても疲れておりました。
その上、時間がかかり過ぎて上映時間ギリギリでした。
映画館のチケット売り場には長い列が出来ていましたが、
私はウルティメイトカードという、映画館の定期券を持っているので、自動発券機が使えます。
急いでチケットを購入しました。
でもね、4K映画は追加料金が必要で、おまけに3D眼鏡を買うかどうかの選択肢が出てくるはずなのに、
何も要求されないままチケットが出てきました。
変だなと思いながらも、急いでチケットカウンターの脇を通り過ぎようとすると、
カウンターの若い女性に呼び止められました。
「ちょっと!チケットを切るまで待って下さい」
そういえば、私の前にも人が3人立って、チケットを切ってもらうのを待っています。
「でも、私はもうチケットを持っているし、予告編がもう始まっているし」
「ええ、わかりますよ。でも待っていてください」
女性はにべもなく言いました。
なんと彼女は長蛇の列にチケットを売るのと、チケットを切るのとを、一人で一手に引き受けているのです。
そのせいでイライラして、客に対して憤りを抑えきれなくなっているのですね。
気の毒な労働環境が悪いので、決して彼女自身が悪い人間だという訳ではないのでしょうが、
それにしても、
彼女がチケット売りに一区切りつけて、チケットを切ってくれるまでが、もう長くてね。
もう。もうちょっと人を雇ってよ。
映画館は経営が大変なのかもしれないけれど。

けれど、チケットを切ってもらって、沢山ある上映ホールの番号を確認する過程で、
私は大変なことに気がつきました。
どうしてこんな事になったのかわからないけれど、
手元にあるチケットには「Maze Runner」という文字の代わりに、
同じ時間に上映されているオランダ映画の題名がありました。
だから追加料金を取られなかったのですね。
慌ててチケットカウンターに引き返して、チケットを交換してもらおうとしましたが、
カウンターにはご存知の通り、長蛇の列。
そして、カウンターの中には、チケット一つ切るのに5分待たせたあの若い女性が。
列に割り込めば、「ちゃんと後ろに並べ」と言われるに決まっています。
もう予告編が始まっているのに。

私はしばらく考えて、
「もういいや、このまま入ってしまおう」という結論に達しました。
3D眼鏡は持ってましたしね。
4Kの映画でとられる追加料金は5ユーロほど。
でも私はここ5,6年の間、毎月映画館に定期代金を払っており、
毎回飲むお茶代、時々食べるチョコレート掛けポップコーンやアイスクリーム、
3D映画の追加料金や3D眼鏡などなど、
この系列の映画館に注ぎ込んだお金はそれなりに多額だと思うのですよ。

一度くらいは、良いんじゃないか。

そういう気持ちで最上階まで階段を駆け上がりました。
でも、4K映画はやっぱり特別らしくて、入り口に係りの男の子が立って、
チケットをチェックしているのです。
私は躊躇しました。
万引きをした時のウィノナ・ライダーの気持ちが痛いほどわかりましたよ。
多分あの時のウィノナは、お金が惜しかった訳ではなくて、
レジに並ぶ時間がなかったのではないかしら。
ウィノナにとっては高級な服の代金だって、まあ小銭でしょうしね。
いや、だからって万引きはいけませんけどね。

私は方針の定まらないまま、とりあえず男の子の方へまた走っていきました。
チケットチェック係の黒人の男の子は、
肩で息をしている私を見て、ニヤッと笑いましてね。
「あの、これなんですけど・・・」といって私が差し出すチケットを観もせずに、
「席はわかる?急ぎなね」と言って入れてくれました。
いや、もうありがたかったですね。
浮いた5ユーロを小遣いとしてあげたいくらいでしたよ。

問題の4Kですが、何でしょうね。
皆さんは好きですか?
私はそうでもなかったです。

4Kチェアはマッサージチェアに似ています。
私は車酔いがひどいので、ああいうグラグラ椅子が揺れるようなのは、気持ちが悪くなるのですよ。
特に予告編ではこれぞとばかりにグイグイと椅子を揺らすので、
もしこれが映画の間ずっと続いたら、吐いちゃうかもなと思いましたよ。
しかもずっと風がビュービュー吹きつけて、寒いですしね。
砂漠でも風が吹く、銃撃戦でも風が吹く、カーチェイスでも風が吹く。
その度に身体が冷えていくのです。
せめて温風にしてくれればいいのに。
映画の途中でモンスターが出てくるのですが、
それが顔の前でパクっと口を開けた瞬間に、
顔にパシュっと水がかかりました。
・・・どういう趣味をしているのかしら、これを考えた人は。
明らかに、モンスターの唾液が顔にかかった感覚ですよね。
これをしてもらって、喜ぶ人っているのかしら。
どうかと思いましたよ。

まあ、そうはいっても、
映画自体はとても愉しみましたけれどもね。
男の子たちはとても綺麗だし、
構成は中だるみもなくてパキパキ話が進むし、
展開はハラハラドキドキですしね。
私は一作目だけ観たことがあって、
多分途中の話が抜けているのですが、
それでも十分話についていけました。

終わった時には結局とても満ち足りた気分になって、
近くにあったケンタッキーフライドチキンに約10年ぶりくらいに入り、
チキンナゲットとコーヒーを所望しました。
ああ、私は今日は珍しい事を沢山した、
珍しい事ばかりしていたなあ、と、
しみじみ嬉しく思ったことでした。

帰り道はブレーキを調節したので、
世界が違ったみたいにすいすいと家まで走れました。

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interstellar

うーん、衆院選。
本当にこんな状況でも、こんな風な結果になるんだなあ。
女性の投票率が男性のよりも高い県はひとつだけなんですって。
ねえ、本当なの、これ?
もうねえ、首をひねり過ぎて、ムチウチになりそうですよ。

まあでも、安倍首相だって、日本を破壊したい訳じゃないのでしょうし、
彼は彼なりに日本を立ち直らせようと思っているのだと、
こうなったらそれを信じるしかないでしょうね。

私は今日はもう現実逃避で、
朝から映画館に「intersteller」を観に行きました。
宇宙の映画でしたよ。
地球がもう人類が住むのには適さなくなってしまって、
よそに住める惑星がないかどうか探しに行く、みたいな話です。

私が行ったのは午前11時の回で、
しかもこの映画は結構なロングランを経ているので、
私のほかにはお客さんは一人だけでした。
私はインターネットで席を予約していたのですが、
ちょうど予約していた席がこの人の真後ろ。
まん中よりちょっと後ろ目の列の、ど真ん中の席。
いわば通の席です。

はげて眼鏡をかけてちょっと太った大柄な人でした。
私が真後ろに座ったら、私の方をチラッと見て、
微笑みかけてくれました。
彼の気持ちは痛いほどわかりましたね。
お、やったぜ、今日は誰もいない、貸切だ。
そう思った瞬間に入ってきて真後ろに座る東洋人。
それはウザいですよ。最大級にウザいことは間違いないのです。
しかし迷惑だと思ってしまった自分の気持ちが、
相手に伝わったんじゃないかと心配になって、
心ならずも投げかける微笑。

ああ、この人とは分かり合える。
私はそう思いました。
で、暗くなると荷物をまとめて、もう一列後ろの席に移動しました。
私のこの憎い心遣いにたいして、彼は彼で、
「ああ、この人とは分かり合える」と思ってくれたのではないかと思います。

まあでも、「intersteller」は難しかったです。
何しろ難しくて、チンプンカンプンですよ。
重力、重力、重力の理論って何度も出てくるのですけど、
私の知っている重力とは言ってる意味が違うらしくて、
「ど、どうしてこれが、重力と何の関係が・・・?」と思っちゃうしね。
英語では何にもわからないし、
オランダ語の字幕を読んでもついていけないし、
終わったあとに日本語でウィキってみて、
粗筋が微に入り細に入りネタバレ的に書いてあるのに、
それでもあんまりよく分かりませんでした。

「私には難し過ぎました」っていう感想は、
バカみたいだから絶対に言うべきではないと思って生きてきましたが、
いやー、初めて真顔でそういう感じになりましたね。

映画館の中に灯りがついてタイトルコールがはじまると、
私は席を立ってコートを着始めました。
そして身支度も終わって、ふと下のほうを見ると、
あの一人で来ていた男の人がまだ座っていて、
何度も何度も手で顔を拭っているのです。
両手でね。
号泣ですよ。

おおー、すごいな、この人はこんな難しい映画で、
これほど泣くことが出来るのか?
そこにむしろ感動しました。

そして、月曜の午前11時から映画館に来たのは、
つまりはもっとも人のいない時間を見計らって、
一人だけで来たのは、
こんな風に思い切り泣くためだったのかもなあ、なんて思って、
改めて、
「この人とは分かり合える」と思いましたね。

こういう繊細さを、人間死ぬまで抱きしめて生きていたいものです。

でもやっぱり、こんなにバカだと感動もできないのだから、
オランダ語をちゃんと勉強しよう、来年は、などと思いながら、
帰ってきたことでした。



男のアイライン

私は最近、「プリンス」という映画を観ました。
これです。



映画館のポスターには一人アジア系の俳優がのっていて、
Rainと書かれていました。

私は一時韓流ドラマにはまっていまして、
Kポップなんかも聞いていましたから、
すぐに思いましたね。

これは、彼じゃないかな、
RAIN(ピ)という人じゃないかなって。
この(ピ)というのが気になっていて、
名前を覚えていたのです。
ずっと思っていたのですよね。
(ピ)ってなんだろう?て。

そりゃ名前なんでしょうけど、何でカッコしてわざわざつけてあるんだろう。
それでもって恰好が良くなるなら別ですけど、
日本語の語感で(ピ)をつけることによるメリットて、特にありませんよね。
そしてピ、が名前なら、RAINは何なのでしょう。
芸名(本名)?またはその逆?
アメリカ名(韓国名)?
公称(愛称)?
または韓国語で雨のことを「ピ」っていうのかも?
いずれにせよ謎だったのです。

まあ、わざわざ理由を調べるほどの興味はなかったので、
謎のままなんですけどね(笑)。

「プリンス」にはこのRAIN氏が出演しています。
オランダにおける彼の名前は(pi)とは書いてありません。
単なるRAINです。

映画そのものは二流というか、
「家族を守る」という正義らしきものの名のもとに、
一人の男がギャングの大虐殺を行うという、
いかにもアメリカ映画っぽいものでした。
この、「娘を守る」という大義名分があって、
「相手が悪い奴である」という大義名分があれば、
一人残らず全員殺していい、という感じ、
アメリカ映画にはよくありますが、私は大っ嫌い。
しかもその娘がたいした奴に見えないのですよ。
たいした奴じゃなければヤク漬けにされてもいいって訳じゃないけれど、
パーティー三昧で男にはまってヤク漬けになる、
ううーん、この女どうでもいいじゃない、もしかして自業自得じゃない?
と日本人は思いがちなタイプ。
私も観ながらすっかりそう思っちゃいました。

出演者も、
ブルース・ウィリス以外は皆チャームレスな俳優ばかり。
どうしてブルースはこんな映画出ちゃったのかな。

でもお金はかかってる感じがしました。
ストーリー展開は底が浅くて、薄くて、陳腐だけれども、
わかりやすくスピーディーに進んでいくので、
終わりの方にならないと「?」とならない仕組みです。
そこらへんで、三流にならずに、二流でとどまっているのですなあ。
RAIN氏の経歴には、
「ハリウッド映画に出演!!!」という華麗な一文が加えられるのでしょうけれども、
それがハッタリにならない程度にはちゃんと作られていた気がします。

現に私は、観ている間はけっこう楽しみました。
大体、環境がすごく良かったんですよね。
広いホールに観客は私一人。
ジュース飲んで、お菓子食べて、途中でトイレに行って、
画面に突っ込んで独り言言っても全然平気。

主人公の親父が腕の筋肉&腹の贅肉を誇示し、
セクシーな娘の友達に強さを褒められながら誘惑されつつ、
バリバリガリガリ大虐殺を行なうのを眺めながら、
ゆったり、贅沢な時間を満喫しました。

RAIN氏の役どころは、主人公の敵の用心棒および凄腕のヒットマン。
結構重要な良い役です。
英語の長台詞を流暢にしゃべっていました。
韓国風のアクセントをあまり感じさせずに、
アクションもこなして、クールで、
きっと努力家なのだと思いました。

ただねえ、彼が画面に映る度にどうしても気になってしまったのが、
韓国のアイドルにありがちな、例のあれです。
厚化粧。
そしてアイライン

近年の韓国の人気俳優さんは、
なんだか存在感がロボットっぽいというか、
きれいに整い過ぎていて、違和感ありますよね。
しかも役と関係なく変なお化粧しているから、
一人だけ違う世界で生きているみたいに見えるのです。
特に主人公の親父と並んだりすると、
なんか親父が背広着たマネキンの横に立ったみたいに見えちゃってね。

整形までは韓国の芸能界で生きていくために仕方なかったにしても、
なんであんな意味のない化粧をするのでしょう。
RAIN氏の切れ長の目やシャープな体型は、
それだけで十分魅力的だと思うのに、
あえてそこにアイラインまで引かなくてはいけない訳は何でしょうかねえ。

彼の役どころは殺し屋・用心棒。
マフィアの殺し屋・用心棒は、
普通に考えてアイラインひいてないと思うのですよ。
ゲイだとか変わり者だとか、
そういう役に対するアプローチとして行われているならまだしも、
それを匂わせるエピソードは劇中に一切登場しません。
Rain氏は純粋に、
美容的観点からアイラインを引いていらっしゃる。
私はそう感じました。

舞台なら客にはそれがアイラインであることが見えませんが、
映画の場合はアップがありますから、
どういう引き方をしているのかまで、はっきりと見えます。
そうなると私なんか、
RAIN氏が画面に映る度に、
「あっ、アイラインひいてる・・・」と思いますし、
そこばっかり見てしまいます。
なぜって、彼が画面に映る度に、
私は自分の中の昭和と対決する羽目になるからです。

皆さんは男の化粧に対して、どうお思いですか。
私は、アイラインひいている男とか、眉毛剃ってる男とか、
外見磨きに余念のない男は好きじゃありません。
特にそれを女にモテると思ってやっている場合は、
その勘違いを生み出した精神性・価値観などにさかのぼって批判的です。
「男のくせに!」
と、これはもう強烈に思ってしまうのです。

でも、そう思った瞬間に、
私の中のコンテンポラリーな部分が言い出します。
「どうして男が化粧しちゃいけないの?」
「じゃあ、ゲイの人はどうなの?」
「あんただってやるくせに?」
「それは男女差別じゃないの?」
「人は、自由に生きていいんじゃないの?」

「・・・そうね」
私の中の昭和は一瞬譲歩するのです。
で、我慢して、
RAIN氏のアイラインについてはそれ以上考えないようにするのですが、
でもやっぱり、しばらく彼が画面から消えて、
もう一度ババーンと銃を持ちながら廊下の陰から現れたりすると、

「・・・アイライン」

思い出さずにいられない。
いやー、そういう意味では、
「プリンス」におけるピ氏のアイラインは、
本当に厄介でしたよ。

でもね、私の演劇アカデミーの先生、
ベンヤミン・ミハイロヴィッチだったら、
彼が現場にアイラインをして現れた時点で、必ず言うと思いますよね。
「君、その化粧の根拠はなんだ?」ってね。
それをあの映画の監督が言わなかった時点で、
それもやっぱりあの映画を二流にしたと思います。

あ、でもそんな事言ったらRAIN氏に気の毒か。
「プリンス」を二流にしたのはRAIN氏自身の演技ではないのです。
そういう意味ではないのです。
俳優としての彼は、過不足なく、準備もちゃんとして、良くやっていたと思います。

ただもう、
…アイラインさえなければねえ。



ゴジラ

私のオランダ人と一緒に、映画「ゴジラ」を観てきました。

昔観たハリウッド版のゴジラは、ジュラシックパークの劣化版というか、
四六時中雨が降っている中を大きなトカゲが人を食いながら走り回り、
しかもギャアギャア喚きながら子を産みまくるという、
なんとなくしっくりこない生物でありました。

今回のゴジラはそれに比べるとちょっと恰好良くて良かったです。
目なんか小さいんですけど、渋くてね。
しかも本当に大きいからね。
映画の画面で観ると、びっくりするくらい大きいですから。
私はとても楽しみました。

でも帰ってからちょっと思ったのですけど、
今「美味しんぼ」を叩いている人たちは、
どうして「ゴジラ」を叩かないのかしら?
若干片手落ちではあるまいか、とね。

ゴジラは何故巨大化したのか。
放射能ですよね。
はっきりと、放射能の影響について作品の中で言及されているのです。
しかし、福島で、生物があれほど巨大化しているところを、誰か見たことがあるのか?
ないですよね。
しかもゴジラは鼻血どころじゃない、
ゴキブリみたいな巨大生物と戦いながら、
町中を破壊しまくっている訳です。
もとはといえば、放射能のせいでね。

これね、風評被害を生み出しかねませんよ
放射能がゴジラを生み出した例なんか過去に前例がないんですから。
もし「美味しんぼ」の鼻血に根拠がないとするならば、
ゴジラの巨大化にはそれ以上に根拠がない。
こんなハリウッド映画がきっかけに、
日本では巨大生物が生まれかねない(=奇形が生まれかねない)という評判がたったらどうするの。

いっとき、日本のマスコミは全然原発のニュースを報じない、
情報を得ようと思ったら海外のメディアに頼るしかない、
という不安を、よく耳にしましたけれど、
だって日本人が発言して、原発を作品化しようとすると、
ニュアンス次第でここまで叩き潰されるんですものね。
これじゃあ無理ですよ。

「ゴジラ」も「美味しんぼ」も、
どちらも作品としては真摯な気持ちでつくられたもので、
両方ともエンターテイメントして高いレベルにあるものだから、
観る方はただ楽しめばいいと思いますけれど。

見たうえで、「違うな」と思うのは個人の自由だけれど、
その前段階で「こういう物は創るな」というのは、
受け手の判断力を随分低く見積もっているなと思います。
いや、「美味しんぼ」に関しては、随分高く見積もった結果かもしれませんけどね。

いずれにせよ、クリエイティブな分野に社会的なタブーを持ち込むと、
文化は衰退していくんじゃないかと思いますし、
文化が衰退していけば、そこに住む人々の精神の衰退を招きます。

ゴジラと化け物が巨大なビルディングをぶん殴りながら破壊していくのに、
一種の快感を覚えながら、
だからって私は本当に世界を壊したいわけじゃない、
それとこれとは全然別のことだ、と思っていたことでした。




標的の村

昨日、東中野に「標的の村」という映画を弟と観に行ってきました。
沖縄の基地問題がテーマになっている映画で、
5年前、オスプレイのヘリポート建設に反対し座り込んだ東村・高江の住民の、
国との闘争の模様を描いたものです。
三上智恵さんという女性監督のドキュメンタリーですが、
硬派なテーマを豊かな自然と美しい人々が彩り、
とても良い映画でした。

ちょっと早く着き過ぎたので、
映画の前に珈琲館という喫茶店に入りましたが、
これがまたクラシックな良い喫茶店でねえ。
そこのおじさんが、
前髪の一部だけ金色のメッシュにしているのですが、
ちょっと物悲しげな風貌というか、
テレビを観ながら微笑んで、
延々とハワイは西海岸がいいか東海岸がいいか、
浜辺で亀を見るなら東海岸である、
というような話をするのです。
大変ポエティックでした。
ここの珈琲がまた、
弟のアメリカンが無味無臭でして、
あれ、お茶?
と思うようなものなのですが、
400円。
とてもお安いことも確かでして、
あの昭和な懐かしい内装と、
おじさんの詩的な出で立ちと、
しみじみと情緒のある安っぽい雰囲気とがあいまって、
もう本当に癒やされました。
おすすめですね。

東中野のポラポラも、
やっぱりポエティックな映画館でした。
小さいところですが、
真赤な椅子と深緑色の壁が美しくてね。
好きだなと思いました。

それにしても、
『標的の村』は、
国家と人間、というその関係性を考える上で、
やっぱり今の時代を生きる日本人は観ておいたほうが良い映画だと思いました。

沖縄の高江村の人々は、
米軍基地に取り囲まれるような形で集落をつくっています。
過去には、ベトナム村に見立てられて、
演習の標的に利用されたこともあります。
先祖代々の土地を強制的に奪われて、
お墓参りもできない人がいるのです。
5年前に、その高江村の近くの基地に、
新型輸送機オスプレイが配置されることになりました。
ヘリポートの建設計画が進み始めると、
高江村の人たちはダンプの前に座り込みをして、
反対運動をしました。

ところがこの反対運動の住民達を、
国が訴えるのです。
税金という莫大な資金を持った国が、
細々と仕事をしながら反対運動をしていた個人を訴えたわけです。
しかもその罪状は「通行妨害」とか、
「座れ!」と叫んだとか、両手をあげて物資の運搬を阻止しようとしたとか、
本質と関係のないところで引っ張ったそうです。
訴えられた人々の中には、子どももいたとか。

大きな力を持った集団が、
個人を萎縮させるために行う裁判を、
アメリカではSLAPP裁判と呼び、これを禁止しています。
ところでは日本にはそういう法律がないために、
市民は甘んじて受けるしかない。
高江の人たちはそれに屈せず、
闘争を続けていましたが、
やはり「怖い」という言葉を何度も口にするのです。
そりゃそうですよね、
普通の一般市民ですし。

私は沖縄の基地問題に関して、
自分が言えることはあまりないと感じています。
なぜかといえば、
沖縄が日米安保の歪みを一手に引き受けてくれるおかげで、
私たち本州の人間は米軍に悩まされずにすんでいるし、
いかにも占領されている、といった空気を吸わずにすんでいるからです。
つまりは、利益をそこから得ているのです。
高江の人たちに自分を重ねるのはあまりに呑気だと思う。

それはやっぱり、考えもなしに「基地反対!」と言えば済むことじゃないと思います。

ただ、沖縄の人たちの怒りや主張は、
本当にもっともな事だと感じます。
何一つ間違っていないし、
正当な要求をしているだけです。
もっともな事を言っているのに、
圧倒的な力の前に負けていく。

映画に描き出された国家と市民との関係性は、
沖縄だけに留まることではないと思います。
その国家の刃というのは、
いつ自分に向けられるかわからない。
東京に暮らして、
与えられたものに満足して草を食んでいるうちは良いとしても、
いざ国が市民から収奪を始めたとき、
国との間に葛藤が生まれたときに、
法に縛られない国というのは、
こんなにもあからさまに市民を蔑ろにするものなのか、
とそれは驚くようなことでした。

市民に対して要求できる権限を国はどんどん拡大しており、
それに対して市民は丸投げで権利を差し出し、
その事がどれほど恐ろしい結果を引き起こすのか。
やはり私たちは油断しているし、
沖縄の人たちはその国民全員の莫大な油断の結果を、
一人で引きうけさせられている。
ご都合主義の結果を長きに渡って引き受け続けているのですよね。

アメリカとの関係をどうすべきなのか、
私にははっきりとした結論などありゃしないのですが、
とにかく色々なことを考えさせられました。

『標的の村』は10月19日まで上映されるようです。
観ていない方は絶対に観たほうが良いと思います。



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