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肋骨?

この二週間ほど、
私はずっと風邪をひいています。
なかなか治らなくてね。
せき・くしゃみ・鼻水、
熱・悪寒・頭痛、
下痢・嘔吐、
まあ体調不良のオンパレードですよ。

そうして三日ほど前の明けがた、
私は夢をみました。

夢の中で私は、
大きな古い本を広げて、
それを読みながらウツラウツラしているのです。
夢の中でもさらに寝るっていう、
このだらしなさね(笑)
ま、でも、そんな感じで、
古い本にうつぶせて眠りかかったら、
後ろから小さな女の子が、
こっそり忍び寄ってくるのです。
あ、なんだろ、
と思いながらも、
本から顔を上げられないでいたら、
女の子はふわっと空を飛んで、
私の横に着地して、
私の本を覗きこもうとするのでした。

それで、私は思わず、
「えっ」って声をあげました。
その瞬間に目が覚めてしまいましたよ。

目が覚めた瞬間、
私は恐ろしい咳の発作に襲われました。
なにしろ鼻が詰まっていたものですから、
口を開けて寝ていたのですね。
それでもって、口から喉までカラッカラに乾いていたのです。
そこへもってきての、
突然の「えっ」というシャウト。
やっぱり私の耳鼻咽喉にとっても不意打ちだったのでしょうね。

でもって、
ベッドの中で身体を九の字に折って咳をしていたら、
左の胸の脇が、
メリメリメリっ・・・・・
といいました。

それからというもの、
痛くて、痛くてね。
息を吸うたびに痛いし、
笑っても痛いし、
くしゃみなんか命がけですよ。

多分、肋骨の疲労骨折とか、
ひびが入っているとか、
そういう感じなのではないかと思います。

去年の年末にやっぱり同じ感じで、
肋骨の同じ場所がひどく傷んだことがありました。
その時にも骨折をひどく疑ったのですが、
私のところのホームドクターは、
移民ばっかりを取り扱っているうちに、

痛いとか苦しいとか甘えた事言ってんじゃねえ、
死ぬ間際になってから初めて来やがれバカ野郎、
こっちは忙しいんだ。


みたいな哲学を会得された方がたですから、
整形外科医への紹介状を書いてくれませんでした。

「二週間してから、まだ痛んだら来てください」
と言って返されてしまったわけです。

二週間してもまだ激痛が続いていましたから、
二週間後にまた行きましたが、
その時には私の天敵のじいさんドクターがいまして、
彼もまた、
「二週間してから、また痛んだら来てください」と言うのです。
デジャヴュかと思いましたよ。
あれ?これ、この場面、私知ってるなあ・・・みたいなね。
同じこと言われたことあるなあって思いました。

そのうち私も面倒くさくなってきて、
とにかく鎮痛剤だけをもぎとるように山ほど貰って、
それでしのぎました。
ひと月ほどで、痛みはほとんどなくなりました。

今回は、そっくり同じ場所が、
同じ感じで痛みます。
ま、何にも治療受けなかった訳だから、
良くなっていなかったのでしょうね。

ホームドクターのところに行ったら、
また二週間してから来いって言われるのかな。

もうー、本当にねえ。
今はまだ若いから、
放っておいても自力で治せますけど、
自然治癒力がなくなってきたら、
死んじゃうんじゃないの?
こんなの。

ま、でも、いいのかな、
死んでも。
いつかは死ぬんだから、五十歩百歩か。

そう考えると、
仏教徒なんですね、
あのうちのホームドクターたちは(笑)

ぎおんしょおじゃの、
くわぁあねえええのぉぉ
うぉおおおおおとおおおおお

あー、怖い、怖い。





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拒食症

一日何も食べられなくて、
なんだかお腹が空いて気持ちが悪いような気がしたので、
昨日の夜、ちょっとおかゆをつくって食べてみました。
そうしたらまた吐いてしまった。
ノロウイルスってこういうことなのかな?

すると今朝、
私の彼がなんだか不幸そうな顔でやって来て、

「あのさ、それ・・・ 
 拒食症なんじゃない?

もうねえ、この人は本当に発想が不思議。
私は食べられなくてエネルギーがゼロでしたけど、
それでも笑うしかなくて笑っちゃった。

咳が出る、咳が

二十代に好酸球性肺炎というのにかかってから、
私は何かというと咳をするようになりました。
咳喘息とかっていうらしいですけどね。

原因は不明で、
数多くのアレルギーテストをしましたが、
その度に何の結果も出てこない。
ただ、咳は出るのだし、
血液検査をすれば好酸球の値が高くなっているし、
気管支拡張剤なんて効かなくて、
やっぱりステロイドの吸引薬を処方されればスカッと収まる。
まあ、アレルギーなのですね。

そんなこんなで、この間、
耳鼻科医からアヴァミスという点鼻薬を処方されまして、
それを二週間ほど使ったら、
咳が止まらなくなったわけですが。
その時点で薬をやめても、
咳だけは止まらないまま、
二か月ほどが経過しました。

夜になると咳が激しくなって、
吐きそうになるし、
第一仕事に激しく差し支えたのでね、
ここはもう仕方がないから、
もう一度耳鼻科のところへ行ったわけです。

呼吸器科に行くべきではないかと思ったのですけど、
耳鼻科でもらった薬が原因ですし、
一応、副作用のことでもわかるかなと思いましてね。
耳鼻科のお医者様、若くて素敵でしたしね。

まあそれに、
長年分からなかったアレルゲンが、
ようやく明らかになるんじゃないかと、
そういう期待もありました。

アヴァミスが原因で咳喘息が起こったのですから、
アヴァミスの成分でアレルギーテストをすればいいんじゃないかなって。
素人考えですが、
ま、そんなことを思いつつ、
私のオランダ人と一緒に耳鼻科に行ったのです。

そうしたらね、
耳鼻科のお医者様は困惑していらっしゃいましたね。
むしろ怒っていらっしゃいました。

アヴァミスが原因だなんて、
とんでもない言いがかりだと思ったらしいです。

「だけど、使い始めて三日で咳が出て、
 一週間でひどくなって、
 二週間でずっと咳しているようになったんですよ」

そう私が言いましたらね、
お医者様は苦笑しながらおっしゃいました。

「じゃあ、やめたらいいんじゃないですか?」

アシスタントと同じことを言うのです。

「ええ、二週間でやめました。
 でも薬をやめても、咳が止まらないのです。
 そのまま二か月が経ったので、
 いくらなんでもおかしいと思ってここへきてるんですけど」

と私が言いましたら、

「やめても咳が出るなら、
 それは薬が原因ではないってことですよね?」

と切り返してくる医者。
もう笑顔も何にもなくて、
クレーマーを撃退する態度そのものです。

それに対してオランダ語で、

「でも、アヴァミスの服用が起因となって、
 私のアレルギー的な傾向の背中を押して、
 血中の好酸球が増えて、
 継続的に使用したものだから喘息を引き起こして、
 今更やめても元に戻らないってことはないんですか」

と言い返せるほどの天才じゃないんでね。

「・・・でも、一応調べてほしいんですけど」

としか言えなかった訳です。
耳鼻科医は鼻で笑いましてね、

「さっきから咳払いをしていますね。
 それが咳が長引く原因ですよ。
 まずは咳払いをやめて、
 咳が激しくなったらお水を飲んでください


とおっしゃいました。
勿論私は、
その時点でね、
ああ、これは医者の分野が違ったな、
間違った医者のところへ来ちゃった。
ということは悟りましたよ。

そういえば昔、
好酸球性肺炎になった時も、
私はずっと隣の家の母の幼馴染だという耳鼻科に通って、
鼻炎の薬を処方されていました。
先生は耳鼻科医として名の高い人でしたが、
咳が出過ぎて、肺呼吸が出来なくて、
階段の踊り場ごとにしゃがみこんで肩で息をする私に、
「うーん。
 風邪かなあ」
とずっとおっしゃってましたっけね。
なんといっても母の幼馴染なので、
薬代なんかはいらないよ、とおっしゃって、
山ほど貰う薬に全然お金を取らないのです。
私は大学生でしたし、素寒貧でしたから、ありがたくてね。
ずっと通い続けて、
その結果、
最終的によその医者でレントゲンを撮ってもらった時には、
片肺の半分くらいに水がたまって、
即日入院という有様でした。

「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!」
とその医者に言われましたよ。

まあ、ね。
耳鼻科の呪いとでも言いましょうかねえ。

それにしても、
耳鼻科だって同じアレルギーを扱うお医者さんでしょうに、
器官としての耳・鼻・咽喉を一歩でも離れると、
あれほど何にもわからなくなるものでしょうか。

「だけど、水を飲むとか、
 咳払いをしないとかっていうことが、
 二か月も続いている咳に対して有効だとは全然思えないので、
 何か薬をください。
 これは多分、アレルギー性の咳喘息だと思うので、
 この薬が効くと思うんですけど。
 処方箋だけでも書いてくれませんか」

といって私は、
昔、日本の医者に処方してもらったパルミコート200を見せました。
まあこんな風に見せたって医者はくれないに決まってますけど、
あんまり毎日咳き込むので、
苦しくてね。
ちゃんと考えられなくなっていましたよ。

緑の目の素敵なお医者様は、
またも苦笑しながら、
私の鼻にぐいぐいと管を指してきましてね、

「鼻は全然問題ないねえ」

などと、全然関係ない事を言うのです。
あれ?
私、いま、鼻の話してました?
とちょっとキョトンとするほど唐突にね。
しかもその管の入れ方が、やたらと乱暴で、
奥までグイグイ入ってきて、痛くてねえ。
明らかに仕返しっぽいのです。

素人が生半可な知識を振りかざして、
指図めいたことを言うのに我慢が出来なかったのでしょうね。
私もその気持ちはすごくわかるっていうか、
私が医者の立場だったら、
「お前は医者かよ(冷笑)」てやっぱり思ったと思います。
でも、じゃあ、
お医者様よう、
お前がこの咳を何とかしてくれよ。

ああ、もどかしいですね。
自分で処方箋が書けたらいいのに。
原因はわからないけど、
もしかしたらアヴァミスじゃないのかもしれないけど、
こんなの絶対、単なる咳喘息なのに。
ステロイド吸入すれば一発なのに。

「とくかくね、
 アヴァミスにそんな副作用があるなんてことはどこにも書いてないし、
 あなたの誤解だと思いますよ。
 とりあえず、胃薬を処方しておきます

とお医者様は言って、
すっかり敵同士みたいになって私たちは別れました。

彼氏と二人で、
帰りのトラムの中で、
あの若造!
あんな奴のところには二度と行かんぞ、
胃薬なんか要るもんかい。

と、散々罵りましてねえ、
まあお医者様というのは、
高給取りでもありますが、恨まれ屋でもありますね。
先生と言われる人々は恨みも買いやすいので、
それで高級を取るのかな、などと思ったことでありました。

あーあ、それにしても、
面倒くさいなあ。

また、呼吸器科にアポとって、
レントゲン取って、
血液検査して、
「一応」効かないとわかっている気管支拡張剤もらって、
ムダ金払って、
案の定聞かないでもう一度通院と言う、
あの一連の儀式を経た上でしか薬をもらえないのかしら。

めんどくさいな。
本当に。
もう、このまま咳で死んじゃおうかな。

と思っている今日この頃です。



アヴァミスとヴェントリン

私の鼻にはまたポリープがあるそうです。

肝臓の数値が異常に高かったことを発端に、
肝臓の専門医、
肺の専門医、
耳鼻科の専門医にそれぞれ送られて、
一時は検査に耽溺していた私ですが、
その検査の結果わかったことは、

肝臓の数値がどうしてあんなに高かったのかはわかりませんが、
肝臓に問題はありません。

昔、好酸球性肺炎をやっていたのはわかりますが、
現在の肺に問題はありません。

鼻にポリープがあります。

というものでした。

耳鼻科のお医者さんは、
ちょっとがっちりした金髪男性で、
緑がかった目が素敵でね。
その緑の目で私を見つめて、

「もしかしたら手術かなあ」

という訳です。
鼻のポリープを取る手術は私も経験がありますが、
あの時は、ものすごく痛くてね。
ガーゼを取る際の激痛というのは、
それはそれは、恐ろしいものでした。
あれをやった医者のこと、今でも大嫌いですよ。
随分若い奴でしたね。
顔も覚えてませんけど、これはあれかな、
トラウマだから私の脳が忘れようとしたのかも。

「オ、オペレーションは勘弁してください。
 できればやりたくないです。すごく痛いから」

私は震えあがって耳鼻科医に言いましたら、
オランダ耳鼻科医はね、

「いや?
 痛くないですよ、ポリープの手術は?」

と緑の目で見つめながら、苦笑がちに言うのです。
まさか医学は、あれからまた進歩したのかしら?

まあでもね、
こういう場合の医者が言う「痛くない」「ちょっとしか痛くない」は、
歯医者でもなんでもそうですが、
主語が自分ですからね。
つまり、「あなたの手術をしている間、私は痛くないですよ」という意味なのです。
そこを間違えると、
大変な罠にかかります。

そんな事を考えながら、
「イヤダイヤダイヤダイヤダ・・・・」となっていると、
素敵なお医者様はこうおっしゃいました。

「ま、でも、ひと月くらい点鼻薬を出しておくので、
 それで経過を見ましょう。
 もしポリープが小さくなっていたら、
 手術の必要はありません。薬で散らします」

緑の目で、ちらっとこちらを優しそうに見てね。
私は医者というものには、かなりコンプレックスがありまして、
医者だというだけで半分もう好きになっている訳ですが、
この時は、これで、残り半分の心を持っていかれました。
だめだめ、私には私のオランダ人がいるのにね・・・・

その時に出された薬はFLIXONASE(フリクソナーゼ)という点鼻薬です。
400マイクログラム。
朝晩一回づつ、一回に一個を使い切る形の真空パックになっています。
二週間分で40ユーロくらい。
高いんですけど、これはとても良く効きました。
最初の一滴で、
もうフリクソナーゼがすごい奴だということがわかりました。
なんか、鼻孔の奥で、ガアンとポリープのボディを殴っているのがわかるのです。
ポリープが九の字になっているのまで、容易に想像ができるほどにね。
三日後には鼻がすっきり通っていました。
文句なしのKO勝ちです。
圧倒的な強さですよ。
プールみたいな匂いがするのですが、
その匂いも好きだったな。

で、ひと月毎日使い続けて、
耳鼻科にいって鼻を見せたら、
お医者様はいう訳です。

「ああ、もうポリープが見えなくなっていますね。
 手術の必要はないと思います。
 このまま半年薬を使い続けてもらって、
 半年後にもう一度、経過を見ます」

もう、フリクソナーゼ大好き。
「振り糞ナーゼ」なんていう当て字を思い浮かべて嘲笑していたかつての自分を、
フリクソナーゼ様に謝りたいです。

「ところで、
 薬を変えましょうか?
 今の薬は朝昼二回でしょう?
 別の薬にすれば、一日一回で良くなりますよ」

その医者が言うのです。

「いえ、でも、今の薬で結構よく効いているんですけど・・・」

私がそう言うと、

「効果は変わりませんよ。
 ただ、あなたにとって、そちらのほうが楽かなあと思うので」

緑の目で、私を見つめて言う訳です。
それで私は溶けましたね。

その日に処方されたのは、AVAMYS(アヴァミス)という薬でした。
日本ではまだ認可されていない新薬です。
約ひと月分で18ユーロくらい。
だいぶお安くなりました。

で、このアヴァミスを使い始めたら、
一週間くらいで、喉がイガイガし始めてね。
二週間くらいで、ずっと咳が出る状態になりました。
その時点で病院に電話したら、
緑の目のお医者さまは出ないでアシスタントが出ましてね、

「じゃあ薬をやめてください」

という訳です。

「え?やめてどうするんですか?」
「まあ、その咳が本当に薬の副作用であれば、止めれば咳も止まると思います。
 薬は、薬局でもともと使っていた薬をもらえますよ」
「・・・はあ」

で、薬を止めまして、
フリクソナーゼに戻りまして、
現在二週間が経過しましたが、
咳が止まりません。
話すたびに咳が出ますから、
しがない現地ガイドにとっては、失職の危機ですよ。

ちなみに、肺の専門医から、
咳が出る時にはこの薬を使えといって、別の吸入薬をもらっていました。
それがVentolin(ヴェントリン)です。
気管支拡張剤だそうなんですけどね。

まあ、別の医者からもらったものを使うのは良くないかもって、
一瞬思ったのですけど、
世界で一番よく使われている咳止めだそうですし、
なにより咳で仕事に差し支えていたのでね。
咳き込んで仕事にならなかった時に、
緊急でこれを使ってみたら、
なんと二、三時間、咳が止まったのですよ。
みるみるうちに、みたいな効き方じゃありませんけど、
ぼやぼやっと、そういえば咳が出てないな、
程度の効き方はしたのです。
それで、一週間くらい、毎日2,3度使ったのですけどね。

ところが、これを使うと、
夜中に咳の嵐がやってくるのです。
もう咳き込んで咳き込んで、
眠れなくなるほどに。
使えば使うほど、咳がどんどんひどくなっていくのですよ。
咳き込み過ぎてえづいてね、
吐きそうになりました。
それで、ヴェントリンも使うのをやめたんですけどね。

アヴァミスを処方されたのが5月22日ですから、
ひと月以上、咳が出続けていることになります。
大丈夫なのかしら。
というか、薬をやめたのに、
どうして咳がとまらないのでしょうね?

最近、ショウガシロップをスーパーで買ったのですが、
これが結構咳に効きます。
なかにショウガが入っているのですが、
それを飴みたいになめて、
シロップをお茶やコーヒーに入れて飲むのです。
これが今のところ、一番安心かも。
ただ、太りそうですけどねえ。

まあこれをもってして医療不信とかなんというのは、
尊いお仕事をなさっているお医者様に悪いですけどね、
まあ医療不信ですよ。わたしゃね。




肝臓のお医者さん

一昨日、肝臓の専門医のいるエラスムス病院に行ってきました。

で、結果はと言うと。

また、検査をして、検査待ち。

結果を聞けるのは5月23日だそうです。

うーん、いいですねえ。

この感じ。

都会の忙しないスピードに飲み込まれ、

時間に追われながら生きる現代人のライフスタイルに異議を唱えるかのような、

この時間の感覚。

素敵ですよ。

悠々とした大河の流れのようですね(皮肉です)。


専門医のアポイントを取るまでに時間がかかり過ぎて、

私のほうが逆に忙しくなってきてしまったというのもあるのですがね。

大人しく結果を待ちます。

ま、夫も子供もいませんし、仕事もないようなものですし、

いつ死んでもいいんですよ。


あ、そうだ、子供といえばね。

私はいま、五歳の子供の家庭教師をバイトでやっているのです。

ロシア人と日本人のハーフの女の子で、

将来は絶対美人になりますけど、

今のところは美少女というよりは美小動物的です。

五歳の子供なんて日常的に一切触れあわないので、

どういう感じの生き物なのかわからなかったのですが、

人間になりかけの何か他の生き物みたいで、面白いです。


私は子供に慣れていないので、いつもドギマギ、オロオロしているのですが、

大人なので、そこをしらばっくれて、何でもないような振りをしているのです。

ところが向こうもやっぱり様子をみているような感じで、

いつもドギマギ、フラフラしているのを、

子供なりにしらばっくれて、何でもないような振りをしている感じです。

でも子供だから時々隠しきれないんですけどね。

お互い、横目で観察しながら距離を測っているのです。


でも子供って、びっくりするぐらいエゴイスト

もうね、びっくりしますよ。

そのダイレクトなエゴに。

子供を育て上げた女の人って、

人に対してわりと心が広いところがありますけど、

その訳がわかる気がしましたね。

だって、とんでもなく勝手だし、エゴイストだし、貪欲だしね。

ウンチとかおしっことかおならの話が大好きで、下品だし。

あれと毎日関わっていたら、人間にたいする見方は優しくなるでしょうねえ。

大人とばかり関わって生きている私にとっては、

目が丸くなるくらいのヒールっぷりを出してくるわけです。


ゲームをやっても、競争心をむき出しにしてくるしね。

しかもやたらと弱い。

だから、なるべく手加減して負けてやろうとするのですが、

あんまり見え見えなのも良くないから、

デッドヒートを演出したりすると、

流れで勝ってしまう時があるのです。

そうすると、負けそうな空気になった時から投げやりになって、

続けて負けると「つまらないからやめる」と言い出すし、

しまいにはサイコロを投げだし、

怒りだし、心を閉ざし、

ともすると泣きそうになるわけです。

たかがゲームにそこまでリアクション取れるってある意味すごいですよ。


この間やった一種のすごろくゲームには、コマのひとつに、

「集めたカードの全とっかえ」というのがあって、

そこに止まってしまうと、

自分の集めたカードを相手プレイヤーと全部交換しなければいけないのです。

で、私は苦労して、彼女に大差で負けそうなとこまで漕ぎつけていたわけなのですが、

運悪く彼女がその「全とっかえ」のコマに止まってしまってね。

一気に形勢逆転ですよ。

するとその子はね、

自分の持っているカードの中から二枚だけをぽいと私に放って、

「これでいいの。こういうルールなのと言うのです。

「え?全部交換でしょ?」と私が聞くと、

「違う!」とカーッと怒るわけですよ。

「じゃあ私のカードと交換しないの?」と聞くと、

「そんなの、要らない!」と叫びました。

びっくりですよ。

やり方がもう、ごり押しじゃありませんか。

あまりの極悪さに、逆に笑いがこみあげてきてね。

弟の小さかった時のアナーキーさを、ちょっと思い出しました。


でも、ゲームとか勝ち負けはどうでもいいのですが、

やっぱりルールを変えてまで勝ちにくるというのは、

しかもそのあからさまな遣り口の汚さは、

マナーの問題としてどうなのでしょう。

ここで許すと、あとあと友達との関係で悪影響かな、とか、

責任があるのだから、きっちり筋を通すべきかな、とか、

家庭教師なので色々考えるわけです。

ま、面倒くさいのでスルーしちゃいましたけどね


で、そのあとにいろいろありまして、

結局私が逆転しました。

しかも大差で勝ってしまったのですよ。

ま、言っても年の開きが三十ありますからね。

どんなに不利でも勝ちますよ。それはね。


で、大人げなく、

「やったー」と両手を挙げて、へらへら笑ったわけですけど。

ちらっと子供の顔色を窺って見ると、

口がへの字になっているのです。

全然笑ってないのですよ。

泣き出す一歩手前の顔っていうの?

まあ、ズルして、ルール変えて、威嚇して、その上で負けるって最低ですからね。


ただ、本当に泣きだして親にチクられでもしたら、

事情を説明したり、色々大変ですからね。

そう思った私は、あわてて取り繕って、

自分の持っているカードの半分をつかみましてね、

「負けたらかわいそうだから、あげる」

と言って、彼女の手に押し込んだわけです。

金じゃあるまいし、

勝負が終わった後のゲームの札をもらったところで、

無意味もいいところですけど。

「いるか!こんなもの!」というリアクションを半ば予想しつつ、

とりあえず善意だけは表明したわけです。


するとね。


「・・・でも、そうしたら、君がかわいそうになるでしょ」


とその子が心配そうな顔で言う訳です。


「君が負けちゃうから、いい。いらない」


これ、私が言ったとしたら単なる外交技術ですが、

この子の場合は本気ですからね。

ちょっとびっくり。


「ううん、いいの。そっちが可哀そうなのよりは大分マシだから」と、

微妙な本音で返事をすると、

彼女の顔はぱあっと明るくなりましてね。

自分のカードを数え、

私のカードより多いことがわかると、

「勝った!」と小躍りして喜んでいました。

勝ちって一体何なのか、

こうなるともう、何が何だか本当にわかりませんけどね。


まあでも、

幼稚園の園長先生をやっていた母が、

「なんていっても子供は心がきれいで可愛い」って言っていたのは、

こういう事なのかなって思ったり。

信じられないくらい単純で、ストレートでね。

私は自分の本音で生きてない所が、時々恥ずかしくなるのです。

それに、小さな頭の中では色々動いているみたいで、

次の勝負では局面が悪くてもズルしなかったし、

ちょっとづつ行動の軌道を修正しているようでもあり。

結局のところは、実際、可愛い奴なのですよ。


私は小学生の頃、

女の人の家庭教師がいたことがあって(中学受験をしたものですから)、

その人が大嫌いだったんですよね。

若くて美人で理系の大学を出ているとかいう、

しかも新体操で国体に出たという、

今思えばすばらしい女性でしたけど、

隣にいると息がつまりそうでしたね。

もう授業がストレスで、

何言っているのかさっぱりわからなくて、

プレッシャーでね。

その人が来る日は朝から気分が真っ暗でしたよ。

その癖、親にやめたいと言い出せなくて、

死ぬほど苦しかった思い出があります。

誰でもみんな両思いだから、

向こうも私の授業の日は気が重かったんじゃないかと思います。


で、私にとって家庭教師ってそんなトラウマ混じりのイヤな感じのものなので、

この五歳の子が私に抱き着いて来たり、

私の肩にそっと手をかけたりすると、

一瞬、「・・・え?いいの?」と当惑するのです。

なんでしょう、当然手が届かないと思っていた片思いの相手が、

実はまんざらでもなさそうだという、あの感じ?

彼女はひらがなの練習をさせたりすると、

ノートをずらして、隣の私の膝の上にのってきたりします。

やせていてお尻に肉なんか全然ないから、

尾てい骨が私の太ももにゴリゴリあたって痛いのですが、

ずっとそのまま膝の上にいるのです。

で、私は、

「ふうむ・・・これは一体どういう気で・・・?」

とか子供の心をずっと推し量りながら、

半信半疑でずっと乗せているんですけどね。


まあ、どうなっていくかはわかりませんけど、

子供にとってのストレスにならないことだけが、目下の目標ですね。

そのうち、あの子の気持ちがもっとわかるようになるといいけど。

子供時代の嫌な思い出にだけはならないようにしなくちゃ・・・・



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